クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

マゼール

 これだけクラシック音楽にのめり込めば、当然、好きな指揮者、演奏家ができる一方で、どうも好みに合わない指揮者、演奏家が発生しちゃうのは、こりゃもう仕方がないだろう。
 
 なるべくなら選り好みせず、決め付けをせず、先入観に惑わされず、人の意見に左右されず、心をニュートラルにして良い点を見出だせるようにしながら鑑賞したいものだ。
 だが、あたしゃそんなに人間がデキちゃいない。いいじゃないか、所詮は無責任なシロウト愛好家だしな。「嫌いなものは嫌い」で何が悪い。
 だからこの際はっきり言ってしまおう。「私はマゼールが嫌い(笑)。」
 
 何が嫌いかって?説明してやろう。
 まず、顔が嫌い(笑)。
 その昔ウィーン国立歌劇場音楽監督のポストに付いた時、あたかも世界を牛耳ったかのようにふんぞり返り、デカイ葉巻くわえてヤクザの親分みたいなご満悦の顔が、嫌いだった。
 
 オマエそりゃないだろうって? ま、確かにそうだ。音楽家だもんな。音楽で評価しないと。
 
 普通、ベートーヴェンの音楽を聴くと、カラヤンでもアバドでもバレンボイムでも、ベートーヴェンが聞こえるものだ。モーツァルトを聴くと、モーツァルトが聞こえるものだ。
 それなのに。
 マゼールの演奏で聴くと、そこからなんと、マゼールが聞こえるのだ。
「ディス・イズ・マゼール。アイ・アム・マゼール。オレの音楽を聞けぇ!マゼールを聞けぇ!」
 と迫ってくる。怖っ。何を聴いてもマゼール。それが嫌い(笑)。
 
 音楽で一番のプライオリティは、作品そのものだと思う。何度か記事に書いたことがあるが、私は「いい演奏だったね」ではなく、「改めて、本当にいい曲だね!」という感想を抱くことが出来た時、その演奏家を最大限に称える。その意味において、指揮者の独善が全面にしゃしゃり出るマゼールの音楽は、残念ながら相容れることが出来ないのだ。
 
 でもね。あたしゃ人間がデキておる。(あら??)
 たかがその指揮者のレパートリーのたった何曲かを聞いただけで、全面否定することを潔しとしない。
 
 だから、聴きに行ってくる。今宵のN響への客演コンサートを。
 
 果たして吉と出るか凶と出るか・・・。結果は概ね見えているが(笑)。とりあえず報告を待たれよ。