クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

次の旅行の予定1

 最近、記事の更新がご無沙汰気味だった。コンサートやオペラの予定が入っていなかったというのもあるし、サッカー欧州選手権(ユーロ2012)を夢中になって見ていて、それどころではなかったというのもある。6月は私の頭の中がほぼスポーツ一色だった。
 ユーロも無事終わり、一段落したので、ここらで私の次の休暇、夏休みの旅行計画について発表しようと思う。
え?また行くのかって? ハイ、すみません、また行きます。そういう楽しみがなきゃ、人生やってられんのですワ。お許しくだされ。
 
 次回は8月。(あ、もう来月じゃん。)
 一昨年はバイロイト、昨年はザルツと、二年連続で夏の有名な音楽祭を巡った。そして今年の夏も、やはり音楽祭が目当て。ただし、ザルツではない。この時期の音楽祭というと、それ以外ではヴェローナルツェルンあたりも有名だが、それらでもない。
 さて、それではどこでしょうか?
 
 ヒント。最近、私は空いている時間に、その予習のためロッシーニばかり聴いている。
 
 あ、ヒントじゃなくて、答えを言っちゃったようなものか。
 
 そうです。イタリアのペーザロ・ロッシーニ・フェスティバル。と、もう一つ、マチェラータ・スフェリステリオ・フェスティバル。両方とも初訪問、初参戦である。
 
 ペーザロとマチェラータは、ともにイタリア中部のアドリア海側にあって、両市間の距離もそれほど離れていないので、一回の旅行で両方を巡ることは可能。(ただし、開催時期が、ペーザロが8月中旬から下旬、マチェラータは7月下旬から8月中旬と微妙にずれているので、うまく調整する必要あり。)
 
 以前から、ロッシーニ・オペラ・フェスティバル(ROF)には是非行ってみたいと夢見ていた。なんでも、ロッシーニ好きにとってはたまらない極楽浄土のような音楽祭なんだと。(私は特別ロッシーニ・マニアというわけではないが、まあ大目にみてほしい。)
 ペーザロは国内でも屈指のビーチリゾート地で、この時期は海水浴客で賑わい、バカンス気分満載。絶品の海の幸を食しつつ、夜はロッシーニの珠玉の音楽に身を委ねる。行った人は「人生でこれほどの愉悦は他にない!」という感想を漏らすんだとさ。くぅ~~っ、行きてぇ~!
 
 ただし、この音楽祭、初心者でも誰でも気軽に楽しめるようなものではない。立ちはだかる壁がある。
 フェスティバルを主催しているロッシーニ財団のポリシーで、「なかなか上演されない作品の発掘と蘇生」を掲げているため、必然的に珍しいレアな演目が並んでしまうのだ。「これまで一度も鑑賞したことがない」どころか、「タイトルさえ知らなかった。そんな作品があったのか!?」なんて絶句してしまうこともしばしば。そんなレア演目は、予習しようにも、教材となるCDさえ見当たらないなんてこともあるのである。これは厄介だ。
 
 私が鑑賞する今年のラインナップ(オペラのみ)を見てみよう。
 
「マティルデ・ディ・シャブラン」
「ブルスキーノ氏」
バビロニアのチ-ロ」
ランスへの旅」(アカデミア-研修生による発表会)
 
 どうです?ランスへの旅はいいとして、あとの3作品の舞台上演を御覧になった方など、ほとんどいないのではあるまいか??そんなの当然で、ROF以外で、これらの曲をレパートリーに入れているオペラハウスなんてまずないと言っていいだろうから。
 特に、バビロニアのチ-ロ。しらねー(笑)。輸入盤CDはかろうじて見つかったが、当然日本語対訳は入手できねー。ネットであらすじ調べて対処している。
 
 注目は、やはり「マティルデ・ディ・シャブラン」に出演するF・D・フローレスだろう。1996年のプレミエの時、彼は代役出演で、なおかつこれが実質的なオペラデビューだった。彼の伝説はこの「マティルデ」から始まったというわけ。
 一部の愛好家しか知らなかったロッシーニ秘蔵の作品、知られざる名曲として埋もれていた「マティルデ」だったが、フェスティバル史に残るとまで言われたフローレスの登場によって、作品そのものが見事に蘇った。2004年に再演され、その際CDに録音された。
 今回が3度目となるリピート上演。フローレス自身、3年ぶりのROF出演ということもあり、話題になっている。
 
 ここでちょっとエクスキューズしておくと、今年5月にチューリッヒで、私はフローレスが出演したオペラを鑑賞し、彼の絶世の歌声に完全に参ってしまったわけだが、だからと言って、彼を聞くためにペーザロ行きを決めたわけではない。
 私がROF行きを決めたのは、昨年のこと。まだ彼の出演が正式に発表される前だった。もっとも、演目を見て、「コルラディーノ役はフローレスで間違いなかろう」という確信はあった。だって、この難役を他に誰が歌えるというのだ!?
 
 
 
 とりあえず本日はここらへんにして、続きは次回に。