クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2012/4/28 フランクフルト

 午前9時40分発フランクフルト行きルフトハンザ・ドイツ航空は、定刻に成田を出発。ああ、定時運行の素晴らしさよ! 常に遅延やキャンセルを心配しなければならない某航空会社とは雲泥の差だ。
 
 機内で、映画などの映像アメニティサービスプログラムの中に、なんと、バイエルン州立歌劇場で上演されたライブで、DVD化されているドヴォルザークの歌劇「ルサルカ」があったのには驚いた。さすがドイツの飛行機。
 
 せっかくなので、さっそく鑑賞し始めたのだが・・・。
 
 長時間を過ごす機内の中で映画鑑賞を楽しまれる御方は結構多いと思うが、私はどちらかというと苦手。狭い席で2時間も小さいスクリーンを見続けると、疲れちゃうのだ。今回も、案の定途中から疲れてきちゃって、最後までの鑑賞を断念。でも、奇才クリストフ・ロイ演出による舞台は、かなり刺激的で、面白そうだった。機内ではなく、ちゃんとしたところで見てみたかった。
 
 フランクフルトには順調に午後2時半到着。ホテルには午後3時半にチェックインした。荷を下ろし、シャワーを浴び、ルームサービスで頼んだコーヒーを飲んだりして、室内でゆったりと長旅の疲れを癒した。
 
 さて、と。これからどうしたものか。
 
 実は、この日の夜、フランクフルトオペラで上演される「魔笛」のチケットを、‘一応’買ってある。
 ‘一応’というのは、旅行初日で時差や疲れもあるだろうし、どう考えても眠たくなるのは目に見えているから、予め無駄になって捨ててもいい安い席を購入していたというわけだ。カテゴリーで言うと、E席で3千円くらい。当然、上方階の席。
 
 もし、この「魔笛」を真剣に見ようというのなら、少しでも仮眠をとって、その後体調をしっかり整え、夜の公演に備えなければならない。
 だがなあ・・。12時間も飛行機に乗った直後にオペラを観るって、どうよ?
 それに、元々どうしても観たいという公演ではなかったし。新演出でもない通常レパートリー公演で、キャストだって特別ではないし。所詮、「魔笛」は「魔笛」だしなあ(笑)。
 
 そうこう迷いながら、何気なくテレビを付けると、ちょうどサッカー・ブンデスリーガの試合ダイジェスト&レビュー番組が始まった。
 そう、そうであった。この日は土曜日、ブンデスリーガの日。ドイツでは、試合のライブ中継こそ有料放送でしか見られないものの、試合終了後直ちに無料の民放番組でダイジェスト番組が始まるのである。
 
 名門FCバイエルン・ミュンヘンVfbシュトゥットガルトの試合ダイジェストが始まった。おお!バイエルンではなんと宇佐美がスタメンではないか!対するシュトゥットガルトも岡崎と酒井が先発。すげー。両チームスタメン22人のうち3人が日本人だぜよ。すげー。
 当然バイエルンがリードするが、シュトゥットガルトの反撃で、サイドからのセンタリングに岡崎がダイビングヘッドで飛び込み、GKのファインセーブに遭ったものの、もう少しでゴールという決定的なシーンがあって思わず興奮!惜しいぞ岡崎!
 
 テレビを見ながら、私はだんだんとテンションが上がってきた。目も冴え、気持ちが乗ってきた。この調子なら、魔笛、行けるかも!?(笑)
 
 そもそも、だ。私は何のためにヨーロッパに来ているのだ?オペラを観に来たのではないのか?せっかくチケットを買った公演があるというのに、なにをぐずぐずしておる?長旅など物ともせず馳せ参じるべきだろう?
 
 ということで、ホテルを出て、いざオペラハウスへ直行。ヨーロッパは既にサマータイムに入っていて、開演時間の午後7時でも昼間のように明るかった。
 
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 しか~し・・・。
 
 残念、ブンデスリーガ効果は持続しなかった。序曲が始まり、モーツァルトの優雅な調べが聞こえると、あっという間に睡魔が襲ってきた。もうだめ、あっけなく陥落。zzzz・・・。
 
 やっぱりね、「どうしても観たい演目ではない」などと言い、安いチケットを買っている時点で、もうアウトなのである。自ら隙を作っているようなもの。そんな生ぬるい根性では睡魔に打ち勝つことなど無理。
 
 ということで、公演の感想はパス。ほとんど覚えていません。フランクフルト歌劇場関係者の皆さん、そして私の両隣に座っていた地元のお客さん、上演中ずっと居眠りをしていてスミマセン。また明日、気合い入れて出直します。
 
 
 一応、公演概要は書いておこ。
 
2012年4月28日  フランクフルトオペラ
指揮  ユヴァル・ツォルン
演出  アルフレッド・キルヒナー
ルフレッド・ライター(ザラストロ)、ジュリアン・プレカルディエン(タミーノ)、ファニータ・ラスカッロ(パミーナ)、アンナ・シミンスカ(夜の女王)、セバスティアン・ゲイヤー(パパゲーノ)  他