クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2012/2/6 読響

2012年2月6日  読売日本交響楽団(都民芸術フェスティバル)   東京オペラシティホール
指揮  沼尻竜典
 
 
 都から助成(補助金)が入っているからだと思うが、オーケストラコンサートをいつもよりも格安で聞くことができる「都民芸術フェスティバル」。日ごろ、クラシック音楽に対してなんとなく敷居の高さを感じている人たちにとってはありがたく、良い機会だと思う。
 ただし、どうしてもそういうお客さんをターゲットにしているせいか、プログラムは毎度オーソドックスな名曲ばかりで、コアなファンにとってはあまり興味が湧かないものが多い。
 
 ところが、今回の読響はかなり意欲的で絶妙なプログラムだ。どの曲も難曲でオケの実力を試され、なおかつどの曲もメインになり得るストラヴィンスキーの代表作三品を一公演の中に並べるこの豪快さ。素晴らしいねえ。好きだなあ、この姿勢。こういうコンサートを私は望んでいるわけですよ。公演のチラシを目にした時は思わず「おーっ!?」と声を上げてしまった。で、速攻でチケット購入。この日を結構楽しみにしていました。
 
 とにかく感心したのは、読響。高度な演奏技術が求められるこれらの曲を、いともあっさりと披露していた。時折演奏上の凡ミスが散見されたが、まあそういうのは目をつぶろう。定期演奏会といった読響主催公演ではないので、プローベの時間も限られていたであろうから、そういうことを総合勘案すれば、本当に大したものだ。
 要するに、読響のレパートリーに完全に入っているということだろう。慌てなくても、引き出しから取り出して演奏するだけ。クールだねえ。
 
 もちろん、指揮者沼尻さんの安定感抜群のタクトがあってのこと。あれだけ丁寧に、なおかつてきぱきと指揮をしてくれたら、オケとしてはやり易いに違いない。
 
 考えてみたら、その指揮者沼尻さんだって、つい1週間前まで群馬交響楽団で大曲マーラー3番に挑んでいたのだ。オケもオケだが、指揮者もいったいいつ勉強するのだろうと感心する。
 
 三曲の中では、やっぱりメインのハルサイが良かった。明るく健康的なハルサイでした。
 
 明るく健康的・・・って、それって褒め言葉!??
 まあ、一応そういうことにしといてくれ(笑)。