クラシック、オペラの粋を極める!

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2012/1/16 読響

2012年1月16日  読売日本交響楽団オペラシティ名曲シリーズ   東京オペラシティホール
指揮  上岡敏之
アンナ・カタリーナ・ベーンケ(ソプラノ)
 
 
 上岡さんってさあ、お笑い芸能人ネプチューンのホリケンこと、堀内健に似ていると思いません??(笑)
 
 と、この日のコンサート会場で偶然お会いしたK師匠に話したら、苦笑された。
 似ていると思うんだけどなあ。
 
 でもって、似ているのは顔だけじゃない。
 私もそれほどバラエティには詳しくないので絶対「そう」とは言い切れないのだが、ネプチューンのホリケンて、計算してウケを狙っているのか、それとも天然なのかよく分からない、宇宙人のような芸風がウリだ。(違ったらゴメン) ジャンルは全然違うが、上岡さんの音楽も似ている所があって、「個性的」「独特」「予測不能」という意味で、全く引けを取らないような気がする。
 
最大の特徴は、とにかく音楽の振幅が極端に大きいことだ。彼の大きく、素早く、鋭い腕の振りがこれを可能にしている。あれだけ雄弁にタクトを振ったら、多分、どんなオケでも音が増殖してたちまち「上岡の音」になってしまうに違いない。
 
この日に演奏された4曲は、どれも全て面白かった。4つの最後の歌では風情たっぷりの音でしんみりと聞かせたかと思ったら、後半の2曲では読響の高い演奏能力を最大に引き出し、実に溌剌とした名演となった。
 
口の悪い人は彼のことを「異端児」と呼ぶが、もし単なる異端児だったら、オーケストラ側からそっぽを向かれるだろう。だが、この日の読響の熱演は、上岡さんの音楽を全面的に受け入れ、丁々発止を楽しみながら、更なる上積みを目指しているように見受けられた。
独自の世界を追求し、個性を十分に発揮しながら、音楽の可能性を更に広げることが出来る。この指揮者の才能は、私は貴重であると思う。