クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2011/12/27,28 ミラノ

3年ぶりのイタリア。ミラノはというと、6年ぶり。ああ嬉しや懐かしや。会いたかったぞよ、麗しのミラノ。その間、いったい何度「ミラノに行きたい病」が発症したことか。
 
 KLMオランダ航空機は寸分の遅れもなく、っていうか予定よりも早く、午後6時半にミラノ・リナーテ空港に到着した。入国もあっという間で、バスで市内入りしたのは午後7時過ぎ。(ミラノへの旅行だったら、遠いマルペンサ空港ではなく、近いリナーテ空港が絶対お薦めです。)
 現地時間の午後7時は、日本時間で午前3時。機内でろくに寝ることができないため、長旅疲れを考慮すればおとなしくホテルで休むのが常識であろうが、久しぶりのミラノですっかり気分がハイになっている私は、居ても立ってもいられず、市の中心エリアに直行。ライトアップされたDUOMO、華やかな電飾がまばゆいV・エマヌエーレⅡ世ガレリア、そして同じくライトアップされたスカラ座の建物を眺め、「ああ、またミラノに来たんだなあ」としばし感慨に浸る。その後、以前にも行ったことがあるトラットリアに入って、イタリア料理に舌鼓を打った。
 ちょっと高めのレストランだったけど、大奮発。だってイタ飯は最高に美味しいんだから。私がイタリアが好きな理由として、間違いなく食事が美味しいことが挙げられる。唯一残念なのは、ビールをちょびちょびとしか飲めないこと。出てくるボトルはたいてい小瓶だしなあ。オレはグビグビ飲むのが好きなんだよ。ワインを飲めばいいじゃないかって?まあ、そりゃそうだけど、さ。
 
 
 日が変わって、28日の朝。天気晴れ。そんなに寒くない。
 かねてから行ってみたい場所があった。「次回ミラノに行ったら、今度こそ訪ねてみよう」と思っていた。ミラノから30キロくらい南の郊外にある由緒ある小都市パヴィア。この街のはずれに、知る人ぞ知る穴場の観光スポットがある。その名もパヴィア修道院。イタリア語で「チェルトーザ・ディ・パヴィア」。地球の歩き方にはこう書いてある。
「世界的にも名高い壮大豪奢なる僧院」
ルネッサンス期のロンバルディア様式芸術の最高傑作」
 
 ここへの行き方はいくつかある。ミラノとパヴィアを結ぶ幹線道路沿いにあるため、ミラノからパヴィア行きの郊外バスに乗って行くこともできるし、ミラノ中央駅からパヴィアまで国鉄で行き、そこからバスに乗り換えて行ってもいい。
 私は予め入念にリサーチした結果、往きは国鉄とバスで、帰りはバスでミラノに戻ることにした。効率よく巡るためには事前にインターネットで電車やバスの時刻表を調べておくのがいいだろう。
 
 パヴィア駅のすぐ近くにあるバスターミナルステーションで、切符を買うにあたって窓口の担当者から怪訝な顔をされた。その担当のおばちゃんは全く英語を話せなかったため、こちらがイタリア語と英語のちゃんぽんに身振り手振りを交えて、次の要件を伝えた。
・チケット二枚、ペル・ファヴォーレ。
・一枚はここから修道院のバス停まで
・もう一枚は修道院バス停からミラノまで
 
 たったこれだけの、ごく普通の常識的なチケットの買い方で、おばちゃんはなぜか一瞬戸惑った顔をした。いったいどういうことなのだろう?おばちゃんは後ろに控えていた別の担当者とヒソヒソ話をし、しばらく待たされた後にようやく2枚のチケットを売ってくれた。
 あのヒソヒソ話は何だったのか?
「ミラノまでの直行の切符1枚を購入した上で、一時下車してしまえばいいのに。わざわざ2枚買う必要もないのだが、イタリア語が分からないこの観光客に教えてやろうとしても無駄か。まあ本人が言うのだから、言われるがままの切符を売ってしまえばいいか・・」
 多分ねー、こんな中身だったんじゃないのぉ??
 とオレは思った。もちろん確信はないけどね。
 ちなみに、こっちだってさ、そういう利用の仕方が出来るのかどうか、聞いてみたかったんだけどね。なんたって言葉が通じないからね。間違った買い方をして、後でトラブルになることだけはゴメンである。
 
 バスを降りて、そこから更に20分ほど歩き、ようやくパヴィア修道院に到着。
 
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 ガイドブックには、「院内は写真撮影禁止」「聖堂以外の回廊の見学は案内ガイドの修道士に従って回る」「見学料は無料だが、案内してくれた修道士に対して施し(チップ?)を渡す必要あり」などとあった。
 だが、行ってみたら、そんな案内人などいなかった。オフシーズンだったからか?確かに訪れている人も少なかったし。
 おかげで自由見学。チップ無し。写真も撮った。ほっほっほ。
 
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 お昼前にミラノ市内に戻った。地下鉄を乗り継いでポルタ・ジェノヴァ駅で下車し、旧市街の南東部界隈を観光。ナヴィリオ運河を散策し、サンテウストルジョ教会、サン・ロレンツォ・マッジョーレ教会などを見て回った。昼食はガイドブックにも載っていたピッツェリアで極上のピザを貪り食った。
 
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 ホテルに戻って少し仮眠し、開演時間8時より早めにスカラ座へ。ここで我が同士のK師匠と待ち合わせ。Kさんはロイヤル・オペラ・ハウスでマイスタージンガーを鑑賞後、ここミラノにやって来た。オペラを見たらまた次のオペラの街へひとっ飛び。この後、ベルリン、バルセロナチューリッヒと移動する。これぞ炎のオペラ小僧。オタクの本懐ここにあり。開演前のひと時、スカラ座横にあるカフェ・ヴェルディでしばしオペラ談義に花を咲かせた。