ザルツブルク音楽祭が7月27日に開幕した。私は8月13日(土)に出発して、14日(日)から19日(金)までの6日間、現地でどっぷりとコンサートとオペラに浸からせていただく予定である。チケットを含む全ての手配が完了し、後は指折り数えて出発を待つばかりだ。
今回の演目の中で、最大の関門がムーティ指揮ヴェルディのマクベスであったことは以前の記事に書いた。昨年末の受付開始とほぼ同時に申し込んだにもかかわらず、あっけなく抽選に外れた。チクルス8公演の全てが完全ソールドアウト状態で、状況は今も変わらない。そのうち、どこかで売れ残ったリターンチケットのリセールが出てくるかと思い、毎日のように公式HPのオンラインショップをチェックしてきたが、その気配は全くなかった。(もちろん、これから出てくる可能性はないとは言えないが。)
さて、結論を言おう。私はそのプラチナチケットの入手に何とか成功した。その経緯をお知らせしよう。
私のザルツ滞在中にマクベスが上演されるのは、16日(火)と19日(金)の2回。16日は別のコンサートの予定を入れてしまったため、いちおう狙いを19日に絞りつつ、どっちでも先に取れた方を優先し、16日だったらコンサートをキャンセルしてしまおうという魂胆だった。
ところが上記のとおり両日とも一向に取れる気配がない。いよいよ私は代替計画を策定せざるを得なくなった。
19日、ザルツを諦めてブレゲンツに移動し、同地で行われているブレゲンツ音楽祭で「アンドレア・シェニエ」を観ようというものだ。つまり、マクベスの選択肢を一つ削減し、望みを16日オンリーにして、それでもダメならマクベス鑑賞を諦めるというわけだ。私は直ちにブレゲンツ音楽祭のチケットとホテル手配に取り掛かった。
一方で、そうは言いつつも簡単に諦められない私は、ついに禁じ手、裏技の行使に動く。
何だと思う?
そう、ブローカーへの依頼である。要するに金でかたをつけようというわけさ。やだねえ。でも仕方がありません。過去に何度か利用したことがあるブローカーA社(本社ロンドン)。イギリス国内のみならず欧州中の公演チケットを幅広く手掛け、入手困難なチケットを闇の中から見つけてくる。
そのA社から「16日のチケットを無事確保」という連絡が入ったのは、今月の初め頃だった。提示された価格に目ん玉が飛び出た。カテゴリー1(いわゆるS席)1枚770ユーロ。日本円で約9万2千円!ひえぇぇ・・!もっとも、冷静に考えると概ね相場的に妥当。定価は370ユーロ(4万4千円)。ほぼ倍ってとこ。ザルツブルク音楽祭はもともとチケット代が高いのだ。ちなみに日本の旅行会社だって、堂々と「8万円から12万円」と銘打って募集している。
悩んだ結果、私はやっぱり諦め、キャンセルすることにした。そして、次にインターネットで今度は現地ザルツブルクのブローカーを検索し、調査した。すると・・・。あるではないか!!
そのチケットサービスB社は、19日の方の公演に更に別のコンサートを加えた、いわゆる‘抱き合わせ’セット券を販売していた。2枚分に更に手数料が上乗せされるわけだが、席のランクがカテゴリー4(C席)だったので、割安感が漂う。2枚合わせて285ユーロ。これなら手が届くではないか!!
抱き合わせで買わせられるもう一つのコンサート(ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団)は、公演日が既に帰国の途についているため残念ながら無駄になるのだが、そんなことはこの際どうでもいい。また、買ってしまったブレゲンツ音楽祭のチケット代(約8千円)も無駄になるのだが、これも仕方がない。とにかくムーティのマクベスを聴くことが最大のミッションで、その望みがかなうのだ!
以上が経緯でした。それでは私のスケジュールを。
8月13日(土)出発
8月20日(土)帰国
8月21日(日)成田着
6日間で9公演。ダブルヘッダーが3回もある。
それではご報告を楽しみにしててください。(急な予定変更はホント勘弁してね)