別にクラシック音楽ファンでなくても誰でも知っている超名曲というのがある。テレビのCMや番組に挿入されるテーマなどでおなじみのやつ。
ところが、そういう曲であればあるほど、私が普段通っているコンサートで巡りあうことがない。理由は単純で、私がそういう名曲コンサートに行かないから。見向きもしない(笑)。出かけるのは演奏家や演奏団体が真剣勝負してくる演奏会ばかり。オーケストラだったら、もっぱら定期演奏会か特別演奏会。そういう演奏会のプログラムには、初心者向けの誰でも知っているようなクラシック超名曲はなかなか入らないのである。
具体的に挙げてみよう。
パッヘルベルのカノン、生で聞いたことがない。ヘンデルの「水上の音楽」、ありまへん。スッペの「軽騎兵序曲」、ないっす。グリークの「ペール・ギュント」、ないねえ。バッハの「トッカータとフーガ」、てぃらり~。
そして極めつけ。おそらく名曲ナンバーワンではなかろうか。知らない人はいない。モーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」。ないんだな、これが。
子供の頃、この曲のタイトルがドイツ語であり、「小さな夜曲」という意味だというのは全く知らなかった。まあ、普通子供は知らないか・・。発音上、「ナハト・ムジーク」ではなく、「ナハトム・ジーク」だと思い込み、ずっとそのように区切っていた。みんなもそうだろ??(笑)
ま、それはそうと、こんな名曲を今まで一度もコンサートで聞いたことがないというのは、やっぱりちょっと意外ではある。
さて、なぜ今日はこういう記事を書いているかというと、実は来月のザルツブルク旅行で、ついについにこの曲を聴くことになったのだ。いやあ、めでたいめでたい。感慨深いのう。
私が聴くのは、市のシンボルであるお城(ホーエンザルツブルク城)の中の黄金ホールで催されるモーツァルトを中心とした名曲コンサート。たまたまツアーでこの街を訪れたので、「せっかくだからなんかコンサートにでも行ってみようか!モーツァルトの生誕地だしね!」という観光客向け100%のコンサートで、ほぼ毎日開催されている。演奏団体は「モーツァルト・アンサンブル・ザルツブルク」・・・実に怪しい。いかがわしい(笑)。
なんでそんなコンサートに行くのかって?? まあ、その、なんだ、物の試しってやつだ。