朝も早々に思わぬ目に遭ってドン底に落っことされた私だったが、それでも旅は続く。人間というものはつくづくよく出来ている。時間が経過するにつれて徐々に嫌なことを忘れ、立ち直っていくのだから。インスブルックからバーゼルまで列車内で過ごした4時間半は、ある意味で気持ちの切り換えに必要な貴重な時間だった。
ホテルにチェックインしたら、そこで市内交通機関フリーパスをくれた。24時間トラム・バスが乗り放題。ラッキー!仮に買ったところでそう高い物ではないのだが、こういうちょっとしたマル得サービスが大損こいて傷ついた私にはすんごく嬉しい。(もっとも、元々ホテル代の中に含まれているかもしれないけどね(笑))
さっそくパスを使ってトラムに乗り込み、旧市街へ。とりあえずメシだメシ。今のオレには旨い物が必要だ。クソッ、旨い物食ってやるわい。ちゃんとテーブルに白いクロスが敷いてある良さげなレストランに入った。メニューを開けて、ちょっと絶句。た、高い!しまった、ここは物価高のスイスであった、忘れてた・・。ええいっ、知ったことか。今のオレには旨い物が必要だ。(あ~あ、やけっぱち)
実際、美味かったのでオッケーということにしよう。お会計の際に請求された値段には目をつぶって見ないようにして、さっさとクレジットカード決済にサインした。