クラシック、オペラの粋を極める!

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2011/2/17 東京フィル

2011年2月17日  東京フィルハーモニー交響楽団   東京オペラシティホール
指揮  ウラディーミル・フェドセーエフ
リムスキー・コルサコフ  交響組曲シェヘラザード
 
 
 懐かしく、そして嬉しくて涙が出た。シェヘラザードは私の大切な思い出の曲だ。高校3年の時、青春の全てを賭けてこの曲に取り組み、定期演奏会で披露した。吹奏楽バージョンであるが、ヴァイオリンソロとハープを加えての本格的な全曲公演であった。当時の情熱は今でも忘れることが出来ず、各パートのソロ旋律の一つ一つに、当時の仲間の顔がフラッシュバックする。
 
 そして、自らの演奏の規範を求め、壮大な交響的絵巻物のイメージを構築する材料として手にとったのが、フェドセーエフ指揮モスクワ放送交響楽団のレコードだったのだ。
 当時の仲間内では、コンドラシン指揮コンセルトヘボウ管やストコフスキーなどの録音が評価が高く(今でも名盤として色褪せていないはず)、皆がこれらを聴いていたが、私はフェド盤に魅せられ、それこそ磨り減るくらいに何度も聴いていた。
 
 その、フェドセーエフのシェヘラザードが今、ここに蘇ったである。まさに感涙ものだ。
 
 フェドの素晴らしいところは、モスクワ放響であろうがウィーン響であろうが東フィルであろうが、その音楽作りが一貫してぶれずに太い芯が構築されることである。特にフォルテのサウンドは重心が低く響きの厚さ十分なのだが、それを余裕の一振りでオケからサラリと引き出してしまう巧さは見事としか言いようがない。
 そのフェドのシェヘラザードは、オリエンタルでエキゾチックというより、ロシアの大地から聞こえる唸りそのものだ。東フィルも見事にフェドのタクトに応えた。大熱演である。
 
終演後、熱狂的なカーテンコールが続き、指揮者と、これまた素晴らしいソロを奏でたコンマスの荒井さんが何度も呼び出されていた。感動的だった。