新国立劇場ファンの皆様、お待たせしました、2011-2012シーズンのラインナップが発表されました。
この劇場が出来るまでは、年に3~4本程度の上演がある二期会や藤原歌劇団、それと外来引越し公演、あとはせいぜい特別企画ものしかなかったわけで、年間を通じて(夏季期間除く)公演予定がずらりと並ぶオペラハウスが我が国に存在する意義は極めて大きい。私もオープン以来足繁く通い、大変お世話になっているし、そのレベルはさておいて、素晴らしい芸術作品を鑑賞する機会を我々に提供してくれて本当にありがたく思っている。なので、毎年この時期の翌シーズンプログラム発表は、結構楽しみなのです。
だ・け・ど・・・。
毎年ワクワクしながら発表されたラインナップを見渡すけど、それらの演目を見て、「これはすごい!!」と感嘆し、大満足したことはほとんどない。
私のようなオペラマニアにとっては、やはりちょっと生ぬるいのだ。
なにも上級者向けのレア物ばかりを欲しているわけではない。良い曲なのになかなか上演される機会に恵まれない隠れた名曲はまだまだたくさんあって、私なんかはそういうのをもっと採り上げてほしいなあと思うのであるが、現実は初心者に優しい毎度おなじみの作品が必ず入って、「やれやれ、またかよ。」とため息を付いてしまうのである。
「仕方がないことなのだ。」と自らに言い聞かせる。新国立は初心者にも大きく門戸を開き、裾野を広げファンを獲得する努力を懸命に行なっているのだ。ただ、あんまり贅沢は言わないから、「おっ!?これをやるのか!? へえぇ!いいじゃん。」という作品が10のうちせめて4つくらいあってほしい。それで満足しようじゃないか。
さてと、で、来シーズンであるが・・・。
ちょっとイマイチであるなあ。
上記のとおり「おっ!?これをやるのか!?」というのがルサルカしかない。新演出のトロヴァトーレとローエングリンを加えても3つで、残念ながら基準に満たない。ということで、アウト、ペケ、バッテン。サロメなんて、いったい何度目だよ。あの演出はもう飽きたわい。
出演者に目を向けてみると、ところどころに「おっ!?」という人がいて、こちらの方は不可とまではいかない。
一番のビッグネームはもちろんオルロフスキーのA・バルツァ。ちょっと峠を過ぎた感があるのが否めないが、貫禄で押し切ってもらおう。
オランダ人で出演のニキティンはかなりの実力者だし、ダーラントを歌うディオゲネス・ランデスは昨年バイロイトに出演していた。ドン・ジョヴァンニのマーリューシュ・クフィエチェン(※知り合いのポーランド人はこう発音していた)はメトで大活躍だし、ローエングリンのクラウス・フローリアン・フォークトは、ひょっとすると現在最高のローエングリンかもしれない。(J・カウフマンかのどちらかだろうね。)指揮がP・シュナイダーというのも素晴らしい。
ということで、なんだかんだ言っても、私は来シーズンも出来る限り行こうと思ってますよー。足を運んで微力ながら応援し、支えないと。国が撤退して閉鎖されちゃったら元も子もないしね(笑)。