指揮 ワレリー・ゲルギエフ
おそらく聴いた人によって受け取り方、感じ方が様々、それぞれ感想が異なる演奏ではなかったかと推測する。聴いた人それぞれにこの曲への深い思い入れがあり、好みがある。あるいはついつい過去の名演と比較してしまう。
だが、ゲルギエフに対して、例えばバーンスタインだったり、カラヤンだったり、クレンペラー、ジュリーニ、ワルターなどが過去においてこの曲で成し遂げた稀代の名演と同じような物を追い求めても、それは全く意味が無い。
でも、そんなこと、最初から分かっていることではないか?
(ゲルギエフによるマラ9公演は今回で3回目だ。)
だったら、その強引さを愉しめばいい。もし愉しめないのなら最初から行かなければいい、ただそれだけの話。
燃焼度は高い。これだけ熱いマーラーを、いったい他のどこで聴けるというのだろう?
これこそがゲルギエフなのだ。
私は十分に燃やされた。焦がされた。聴き終えて、焼けカスになった・・・。
それだけで満足だ。