クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2010/10/10 プッチーニ三部作

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2010年10月10日  パリ・オペラ座
プッチーニ  三部作(外套、修道女アンジェリカ、ジャンニ・スキッキ)
指揮  フィリップ・ジョルダン
演出  ルカ・ロンコーニ
ファン・ポンス(ミケーレ、ジャンニ・スキッキ)、マルコ・ベルティ(ルイージ)、オクサーナ・ディカ(ジョルジェッタ)、タマル・イヴェーリ(アンジェリカ)、ルチアーナ・ディンティーノ(公爵夫人)、エカテリーナ・シウリーナ(ラウレッタ)、   他
 
 
 私はこのプッチーニ三部作が大好きで、今回のパリ公演をとても楽しみにしていた。(スト中止にぶつからなくて本当に良かった。)
 愛と怨念の緊迫ドラマ「外套」、聖なる奇跡の物語「修道女アンジェリカ」、抱腹絶倒の「ジャンニ・スキッキ」と、それぞれに味わいがあってどれもみな楽しめる作品群だが、私は特に修道女アンジェリカの神々しさを湛えた音楽がたまらなく好き。以前は、臨終の際には是非ブルックナー交響曲第8番第4楽章のエンディングをBGMで流して欲しいと思っていたが、今はこれだね、スオ・アンジェリカ。
 我が子の死の知らせに絶望した母アンジェリカが自ら薬を飲んで命を絶とうとするが、神の教えに背く行為をしでかしたことに気が付いて激しく動揺する。だが時すでに遅し。やがて終焉を迎えようとするその時、奇跡が。うっすらと遠のく意識の中で、神に召されていた我が子が今、母の元に・・・。
 この場面の音楽、もうね、泣いちゃいますよ、本当に。
 
 今回のパリ公演にて。
 修道女アンジェリカの上演が終わり、場内が明るくなって休憩となった。私自身、猛烈に感動し、半泣き状態で「すごいよ~、すんごいよぉぉぉ・・・・」とおろおろしながらロビーに出てみたら・・・。
 フランス人が泣いているではないか!!
 しかも一人や二人ではない。何人ものお客さんが感動に打ち震えているのを目撃!!
 
 私はふたたび感動した。もう、その人達と抱き合いたかった(笑)。一緒に感動を共有し、プッチーニの美しい音楽を讃え合いたかった。あなたたちは音楽の素晴らしさ、力、音楽がもたらす至福とインパクトを分かっておられる。フランス人、ちったあ見直したぜ。
 
 
 今回はミラノ・スカラ座で上演された物の貸出プロダクション。イタリアが誇る三大演出家の一人、L・ロンコーニの演出は、「こういうのを『正統派』って言うんだろうな」という真っ当な物。ハラハラさせ、しんみりさせ、笑わせながら、観客をドラマに集中させる。
 
 感動のスオ・アンジェリカに続くジャンニ・スキッキでは、一転して場内が笑いの渦に。フランス人大ウケ。(ミラノで上演された同じプロダクションが映像に出ていて、それを見たが、スカラ座のお客さんはあまり笑っていなかった。イタリア人とフランス人では笑いのツボが異なるのか、それともスカラ座のお客さんはひたすら音楽に集中しているのだろうか?)
 
 歌手に関して言うと、比較はヤボかもしれないが、スカラ座でアンジェリカを歌ったB・フリットりに完全に軍配が上がって、‘タマちゃん’こと、タマル・イヴェーリはやや物足りない。ファン・ポンスはミケーレとジャンニ・スキッキは十八番のはまり役なのだが、いかんせん年取って衰えが著しい。ラウレッタを歌ったシウリーナの清純な美しいアリアに惹かれました。
 
 
 いちおう、今回の旅行記はこんなところで。