クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2008/2/9 ウィーン オランダ人

2008年2月9日 ウィーン国立歌劇場
ワーグナー さまよえるオランダ人
指揮 ウルフ・シルマー
演出 クリスティーネ・ミーリッツ
アラン・タイトス(オランダ人)、ヴァルター・フィンク(ダーラント)、ニーナ・シュテンメ(ゼンタ)、クラウス・フロリアン・フォークト(エリック)、ジャニーナ・ベヒレ(マリー)他


 C・ミーリッツは大胆かつ挑発的なレジーテアター(演出が主眼に置かれた劇場)の急先鋒演出家の一人だ。同じくウィーンでの「パルジファル」では、最後に聖杯を叩き割るという演出で保守的な聴衆を驚かせたらしい。
 確かにこのオランダ人でも、ゼンタを焼身自殺させるという衝撃はあった。
 だが、全体的には‘お騒がせ演出家’にしては‘普通’の印象。舞台装置もいろいろ仕掛けはしてあるが、奇をてらっているものでもない。(昨今の過激な演出が幅を利かせる中、自分自身がちょっとやそっとでは驚かなくなっているのかもしれない。)

 強い印象をもたらしたのは、ゼンタを歌ったニーナ・シュテンメとエリックを歌ったクラウス・フロリアン・フォークトの二人だ。

 シュテンメは、今、世界でも最も注目のソプラノ歌手の一人。バイロイトでイゾルデを歌って一躍脚光を浴び、チューリッヒ歌劇場の来日公演では‘追憶の彼方にイッちゃった元帥夫人’を歌い演じて大絶賛された。今回のゼンタも実に素晴らしかった。

 一方、フォークトもスターへの階段を一直線に駆け上っている意味で、シュテンメに負けていない。新国立劇場に登場して鮮やかなホフマンを歌い、既に日本でもおなじみ。
 容姿も格好良く演技も申し分ないが、彼の良いところは徹頭徹尾歌うところだと思う。発するセリフを100%流麗な旋律に乗せることが出来る。必然的に音楽が叙情的になる。ロマンチックなヒーローにぴったりのテノールだ。

 今回のミュンヘン・ウィーン旅行は、世界のトップソプラノ歌手の見本市に参加したかのような豪華さを味わえた。ナブッコでのグレギーナ、ノルマでのグルベローヴァ、コジのフリットリ、オランダ人でのシュテンメ。日本で待っていればそれぞれが時々来日するだろうが、一度期連日連夜の饗宴に遭遇することは無理。結局はこのような醍醐味を再び求めて、また次回のためにあくせく働いてお金を貯めることになるのだ。


 ウィーンはこれで終了。
 明日日本に帰る。早朝にウィーンを発ってパリ経由で成田へ。ただし、パリで途中下車し寄り道する。パリ発成田行きの飛行機は午後11時過ぎ。日中の時間はたっぷりある。その間に何をするかって?決まっているじゃん、オペラを観るのさ。ついでに観光もするけどね(笑)。