クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

椿姫ってどうなの?

 2010年にトリノ・レージョ劇場が来日し、ボエームと椿姫を公演することが発表された。私はため息を付く。
「またかよ・・」
 2010年はもう一つ、英国ロイヤルオペラの来日公演も決まっているが、これもラインナップに椿姫が入っている。「はあぁ・・」

 2000年モンテカルロ劇場、2001年フィレンツェ歌劇場、2004年ハンガリー国立歌劇場、2005年ベネチア・フェニーチェ、2006年メトロポリタンオペラ、2007年チューリッヒ歌劇場・・・。

 私は、外国のカンパニーが来日公演の演目を検討する際に、日本側と以下のようなやりとりをしているんじゃないかと勘ぐってしまう。

「今度の日本公演の演目として、○○を持っていこうと思うがどうか?」

「いやー、そうじゃなくて、是非椿姫でお願いしますよ!日本じゃ椿姫が人気があるんですよ。」

「しかし、○○は我がカンパニーの自信作、これこそがふさわしいかと・・・」

「いやいや、椿姫は売れるんですよ。売れさえすればいいんですよ。一つよろしくお願いしますよ。」

「そうか・・・。じゃ、しょうがない、椿姫にしますか。」


 これらの外来に加えて二期会、藤原、新国立らの国内カンパニーも負けじと「うちの椿姫もご賞味ください!」とばかりに毎年のようにラインナップに並べる。もはや恒例行事だ。毎度同じ物ばっかり食べさせられて食傷気味の私は言う。「もう、勘弁してよ」

 世のオペラファンの皆さまに聞きたいが、そんなに椿姫っていいですか?こんなに毎年のように「どうぞどうぞ」と提供されて、うんざりしませんか?


名曲であることは認めましょう。誰もが知っている乾杯の歌があり、それ以外のアリアも美しい。

が・・・・。

私はこの物語に共感ができないのだ。違和感があって変と思うのだ。
いろいろあるが、最大の違和感は、お父さんジョルジョ・ジェルモン。

・登場していきなりヴィオレッタに向かって
「私はアルフレードの父、あなたにそそのかされ、堕落したバカな男の父です。」→ こんな失礼なこと言うヤツいるか!!

・「娘の幸せな結婚のためにアルフレードと別れてください」→ 余計なお世話、関係ねーだろ!

ヴィオレッタ「別れましょう。犠牲となりましょう」
ジョルジョ「お泣きなさい、お泣きなさい、気の毒なお方、何か私に出来ることはありませんか?」→ 開いた口がふさがらない

・何も知らないアルフレードが怒って賭けに勝ったお金をヴィオレッタにぶちまけたところで
「女性を傷つける人は軽蔑の対象となる。もはや私の息子ではない!」→ よくそういうこと言えるな!全てお前のせいだ!

・で、瀕死のヴィオレッタのところに現れて
「許しておくれ、あなたを娘として抱擁するために来たのだよ」→ ふ・ざ・け・る・な!

 以前、これらの話を友人にしたら、笑ってもらった後、「だけど、オペラの物語ってみんな変じゃない?別に椿姫だけに限っていないよ。」 まあ、ねえ、たしかにそうだが・・。

 そんなにイヤなら聴かなきゃいいじゃないか、行かなければいいじゃないかというご意見、まことにごもっとも。でも、私は椿姫がイヤなのではありません。「椿姫を観たくない」じゃなくて「別の演目を観たい」のです。オペラ作品ってたくさんあるんですよ!お楽しみはたくさんあった方がいいでしょう!椿姫が演目に上がるということは、その分、他の作品を観る機会を一つ失うのですよ!


すみません、ついつい日頃の鬱憤を吐き出してしまいました。自分のブログなのでお許しを。なんだかんだ言いつつ、私は来年2月の二期会の椿姫も結局チケットを買ってしまっている・・。