クラシック、オペラの粋を極める!

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2010/9/14 関西フィル

2010年9月14日  関西フィルハーモニー管弦楽団  サントリーホール
創立40周年記念ガラ・コンサート東京特別演奏会
指揮、ヴァイオリン  オーギュスタン・デュメイ
ジョゼ・ファン・ダム(バス)
モーツァルト  ヴァイオリン協奏曲第5番
モーツァルト、ドリーブ、ヴェルディ等 オペラアリア選
ベートーヴェン  交響曲第8番
 

 初めて関西フィルを聴いた。創立40周年記念ということでのガラコンサート。そんなに昔からあったのか、と驚いた。関西における評判は知らないが、こっちでは所詮「地方オケの一つ」といった程度の認知度だと思う。(失礼)
 だが、どうやら関西フィルは本気モードに突入したようだ。世界的なヴァイオリニスト、オーギュスタン・デュメイを首席客演指揮者に迎え(来年から音楽監督就任予定)、これから世界に打って出るらしい。厳しい財政状況の中、その意気込みたるや良し、である。
 
 デュメイを‘顔’に持つ意義は大きい。彼自身をソロに迎えて協奏曲共演が出来るし、さらに彼の音楽仲間など、その人脈を駆使して世界的な演奏家を呼び寄せることも期待できる。実際、この日はまさにそのとおりの華やかなプログラムになった。「おっ!?ちょっと聴いてみようかな?」と感じさせる魅力的な物だ。来年にはデュメイの盟友マリア・ジョアン・ピリスとの共演も予定されているということで、これはなかなかいいぞ!という感じである。
 
 一曲目、ヴァイオリン協奏曲が素晴らしい。オーケストラのソロへの寄り添い方が絶妙である。緊密な距離感が感じられ、バランスが良かった。まさにデュメイ効果であろう。
 ベートーヴェンもとっても面白かった。実にパンチが効いている。なんたって指揮者デュメイの指揮振りが、パンチそのものなのだ。フックとアッパーの応酬(笑)。齊藤秀雄監修の指揮法メソッドにはおよそ及ぶべくもないのだが、それでもデュメイの音楽性がオーケストラにも聴衆にもちゃんと伝わるのだから、面白いものだ。
 
 ガラコンサートの目玉だった世界的バス・バリトン、ジョゼ・ファン・ダムは、もうすっかり翳ってしまって、往年の素晴らしさを知っている私からすると「あっちゃ~」だったが、以外に拍手は大きかった。お客さんはあたたかい。これまでの長年の活躍を讃え、慰労も込めての拍手だとするならば、まあ私も固いことは言うまい。お疲れさま~。ぱちぱちぱち。