クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

バイロイトへの道2

 申し込んだ希望演目で、最初から一貫してリクエストし続けたのは、言うまでもなく「ニーベルングの指環」。元々ワーグナーはこの大作のために劇場を作ろうとしたのだから、最初のバイロイト体験はやっぱこれで決まりでしょ。そりゃもちろんトリスタンもパルジファルも観たいけど、最初のうちは「何が見たいか」よりも、応募そのもの、申し込み続けること自体が重要だと思っていたので、何も考えずに「指環」だけで出していた。
 
 一昨年の申し込み(前回)あたりから「ひょっとすると、そろそろかもしれない」という目算、思惑が出てきて、それまで適当だった時期や演目について、ようやく真剣に検討し始めた。
 今回私が当選し行くことになっているのは指環の第2チクルス。
8月8日(日) ラインの黄金
  9日(月) ワルキューレ
 11日(水) ジークフリート
 13日(金) 神々の黄昏
 ご覧の通り、土曜日に出発し、月曜日から金曜までを休暇にして日曜日に帰国することが出来る、つまり土日を有効活用して休暇日数を最小限にできるベストのチクルスを選んだ結果だった。その他のチクルスはこういかないのだ。
 そして、それまで指環一辺倒だった申込演目も、当選が現実味を帯びるようになってから、それ以外の演目も付け加えるようにした。今回でいうと、上記公演の合間である10日(火)にパルジファルを、12日(木)にマイスタージンガーを申し込んでみた。ところが結局当たったのは指環だけだったのであるが・・・。ずっと指環だけ申し込み続けて、途中から急に他の演目を加えても「甘えよ」ということなのか。最初から指環に加えて他の演目も申し込み続けていれば、それらも当たったのであろうか。そこら辺は謎である。
 
 
 昨年の12月20日頃、ついについに当選通知がやってきた。
 落選通知は例年、年が明けた1月に送られてくるので、年内に届いたバイロイトからのお手紙を手にした瞬間、開封前から「キタあああ~~!!」(笑)。
 
 同封されていたのは、請求書、座席表、ホテル斡旋申込書、劇場レストラン予約申込書。請求は当たり前だがユーロ建て。総額の中にしっかり手数料も上乗せされている。クレジットカード不可で、指定された口座に国際送金(振込)しなければならない。振込先は郵便振替か銀行口座。それぞれに口座番号の他、金融機関コードが書かれているのだが、このドイツの金融機関コードというのがなかなかややこしい。
 私は最寄りのゆうちょ銀行からドイツ郵便局へ国際送金した。振込手数料は2500円。上記の通り金融機関コードの認識に少々手こずったが、ゆうちょ銀行窓口担当者が本店の国際振替担当者へ何度も電話して確認してくれたのが助かった。(日本という国は本当にサービスが素晴らしい。)
 
 ホテルの斡旋はバイロイト市観光局が行っていて、申込書の宛先も同局になっている。音楽祭の季節はホテルの確保が難しいらしいが、これでお願いすればほぼ間違いなく手配してくれるそうだ。安く上げたければ民宿も世話してくれるらしい。
 私はというと、インターネットによる普通の海外ホテル予約HPで予約した。早めに動けば自力確保も可能。市観光局での依頼だと、どこのホテルに斡旋されるか分からないのが難。不便なところだと困るしね。
 
 劇場レストラン予約というのは、幕間休憩時の食事予約ということ。この音楽祭では、幕間休憩をたっぷり1時間くらい取るらしいので、その間に食事することができるというわけだ。ただし料金は高め。きっとセレブ達が高級バカンスの過ごし方みたいに利用するのだろうが、オレ様には関係ないこった。社交のために行くのではない。オペラを見に行くのだ。だいたいバイロイト音楽祭っていうのは熱狂的なワグネリアンが集うミサではないのか?どうしてミサ中に腹を膨らます必要があるというのだ。腹が膨れて眠くなったらどうするのだ。ねえ。
 どうやら予約不要のカジュアルレストランもあるようなので、そっちでお茶を飲めばいい。
 
 さて、そんな感じで手続きを済ませると、翌年1月下旬にチケットが届きました。ちゃんと書留扱いでした。
 プラチナチケットはさぞかし豪華で手にしたら興奮するかと思ったが、開けてみると、別に何のことはないただの紙(笑)。拍子抜けしました。チケットには一応申込者の住所、氏名が印字されている。2枚申し込むと2枚とも同じ申込者の名前が印字される。バイロイト音楽祭は不正なチケット取り締まりに躍起になっていて、場合によっては身分証明の提示を求められるという話を聞いたが、そういうチェックは本当に行われるのだろうか?現地で確かめてこようと思う。