クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

バイロイトへの道1

 目前にトリノ王立歌劇場来日公演が迫っているが、今、自分の気持ちはハッキリ言って日本にない。ドイツだドイツ。連日の猛暑のせいもあって、私は熱に浮かされたように毎日呟いている。「あー早くバイロイトに行きたいよう・・・。」
 
 来月、私はついに念願のバイロイト音楽祭に行って来る。
 
「そうだ、バイロイト音楽祭に申し込みをしよう。」
 一大決心してから、ひたすら申し込み続けること9年。ようやく、本当にようやく、その権利を得ることが出来た。ということで、世界でも最もチケット入手が難しいと言われるバイロイト音楽祭に導かれるまでの苦難の道について書こうと思う。
 
 まずはチケットの申し込み方法について。
 特別なコネクションやルートを持たない一般の人がこの音楽祭に詣でる方法はズバリ3つプラスワン。
 まず一番目は、高いお金を払ってツアーで行く方法。だいたい80万から100万円近くかかるとの噂である。二番目は日本ワーグナー協会や現地の友の会などに入会して、そこの会費を払いながら会を通して申し込む方法。通常よりも早く順番が回ってくる。そして三番目が、地道にコツコツと年月をかけて申し込む方法。私が採ったやり方。「昔は7年、今はだいたい10年くらい」と聞いていたが、今回私は9年かかった。
 最後にプラスワンであるが、とにかく現地に行き、早くから並んでキャンセルチケットを待つというのもある。だが噂によると、キャンセルが出る数は決して多くなく、体力的にもきつい、相当無茶な方法のようだ。
 
 初めての方は、まずバイロイト音楽祭事務局に申し込みフォームを請求し、その後に申し込みということになっているらしい。だが、私はこれをせず、自分の手書きによるオリジナル申込書に演目と日にちと枚数だけ書いていきなり申し込みを敢行した。しっかり受け付けてくれましたよ。本来は席の種類(カテゴリー)希望を記入する必要があるのだが、私は「そんなのはどうでもいい事」として書き込まなかった。なぜなら、「申し込み一年目で当たることなどあり得ない、どうせ外れる」と思っていたから。
 
 なお、事務局から送られてくる申し込みフォームにはきちんと席のカテゴリーと料金が説明されていて、それに基づいて希望の席種を書くことになっている。
 カテゴリーは客席のエリアブロックでAからGまでの7種類に区分し、そこから更に前方と後方、端の方と中央の方などでA1、A2、A3・・というように値段を差別化させている。
 本当はこの細分化された単位で申し込み希望を出すべきなのかもしれないのだが、私は申し込み続けた9年間、ひたすら一貫して「A」とのみ記入した。「もうAならどこでもいいから、とにかく早くチケット寄こせ」という暗黙のメッセージ。そしたら今回、「そうかそうか、そんならどこでもいいんだな」とばかりにAの中ではあまり良くない後方席をあてがわれてしまったのであるが・・・(苦笑)。
 
 ちなみに楽劇ニーベルングの指環については4部作で一演目と見なされており、例えばワルキューレだけを申し込むことはできない。
 
 申し込みの締め切りは毎年10月中旬。ファックスやメールでは受け付けず、郵送のみなので、余裕を持って送るべし。
 
 申し込んだ結果、翌年1月中に「今年もまた沢山の応募があったために、残念ながらチケットを用意することが出来ませんでした。あしからず。」という落選通知が届く。
 私は最初の頃こそ、「返事が来た!」というだけでドキドキ緊張したが、そのうち、毎年文面が同じ一枚ぺらの返事通知について、一応は開封するものの、一瞥してすぐさまゴミ箱に投げ捨てていた(笑)。
 
 さて、翌年度以降だが、一度申し込むと、住所氏名と申し込み履歴が事務局にきちんと登録され、黙っていても毎年申し込みフォームが自動的に送られてくる。あとは上記の申し込みをひたすら繰り返すだけ。
 
申し込みの宛先は次の通り。
Kartenburo der Bayreuther Festspiele
Postfach 100262 , 95402 Bayreuth
GERMANY
(※Kartenburoの u の上には点々のウムラウトを付ける)
 
 さて、次回は当選連絡からその後の手続きを経てチケットが手元に届くまでをご紹介しましょう。