クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2010/6/20 新国立 カルメン

2010年6月20日  新国立劇場
ビゼー  カルメン
指揮  マウリツィオ・バルバチーニ
演出  鵜山仁
管弦楽  東京フィルハーモニー交響楽団
キルスティン・シャベス(カルメン)、トルステン・ケルル(ドン・ホセ)、ジョン・ヴェーグナー(エスカミーリョ)、浜田理恵(ミカエラ)  他
 

 熱狂的なジャイアンツファンである友人のTさん。いつもG戦観戦に誘ってくれるのはありがたいのだが。あたしゃどちらかと言えば‘アンチG’なんですよねー。まあ、昔に比べればかなり嫌悪感は失せたけどさ。毎度「野球を観ながらの飲み会」だと割り切って、コンサート・オペラとバッティングしないかぎり付き合ってあげてます。
 でもさ、たまにはどうよ。オレの趣味に付き合ってみないかい?オペラどうよ?物の試しにさ。
 以外にもTさんの答えは「いいですよ!」だった。
 
 だからと言って、ウン万円もする外来公演なんか無理だし、どちらかと言えば上級者向けの「影のない女」とか誘ってもしょうがないし。
 
 そしたらうまい具合にカルメンがあるじゃありませんか!誰でも知っている名曲。耳馴染んだ易しい旋律。スペクタクル性もあるし、ストーリーも単純。まさに初心者向け。
 
 ということで、今回はそのTさんに加え、クラシックファンとまでは言えないけど観てみたらまんざらでもなくてオペラをそれなりに楽しめるKくんやIさんも誘い、新国立劇場に行ってきました。
 
 本当のことを言うと、前回2007年の初演を観て、「平凡でつまんねえ演出!」と思ったプロダクションであり、もし自分だけだったら絶対に行かなかっただろう。
 だが、私にとって「平凡でつまんねえ演出」は、逆に初心者には脚本に忠実で分かり易い物である。ここは彼らのためにグッとガマンをしよう。
 
 案の定、演出は今回もやっぱり冴えない。
 演出家が考えるこのオペラの真実とはいったい何なのか?演出家はこの作品を通じて何を考え、何を観客に訴えたいのか? さっぱり見えない。
 カルメンを歌ったシャベスなんか、そんな冴えない演出の意図を更に堂々と無視して、勝手に自分が思うがままのカルメンを演じ、結果、舞台で一人だけ浮いているし・・・。
 
 おっと、いかんいかん。
 オレがどう思うか、ではない。Tさんをはじめとするお誘いした皆さんがオペラを楽しんでくれるかどうかが重要だったわい。
 で、Tさん、どうでした?
 「最初は少し眠かったけど、まあ、総じて楽しめましたよ。」
 
 う~む、これほど平易で親しみやすいのに眠気を催すとは・・・。(開演直前に昼飯食ったしなあ。)
 
 まあいい。それなりに楽しめたということなので、良かったことにしましょう。また何か初心者向けのいいのがありましたら誘いますから、是非行きましょうね!
 
 それにしてもTさん、幕間の休憩中、携帯を取り出して、ジャイアンツ戦の途中経過をしっかりチェックしておりました。挙げ句に「ところで今週末の土曜日、対横浜戦、行きませんか?」だって。やっぱりオペラよりもそっちなのね、トホホ(笑)。