クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

ラトルの次は

「次のベルリンフィル音楽監督はいったい誰だ!?」
 
 言うまでもなく、ベルリンフィル音楽監督に就任するということは、天下を取るということだ。指揮者にとって最高の栄誉であり、世界の音楽界をリードする存在であるということだ。
 
 もっとも、それが世界最高の指揮者を意味するかどうかは意見の分かれるところ。現在のラトルが名実共に世界最高の指揮者か?と問われると、「そーうーかーなー?」と首を傾げてしまう人もいるかもしれない。
 
 ただし、今のところラトルとベルリンフィルとの関係は良好のようだ。意欲的なプログラムに取り組み、独自のプロジェクトを進行させ、ベルリンっ子からも概ね評判がいいようだ。契約期限が迫っているわけでもないし、今は次期候補について詮索するタイミングではない。
 
 じゃあ、なんでこんな話題を振ったかというと、先日来日公演を行ったエサ・ペッカ・サロネンこそベルリンフィル音楽監督に相応しいと私は「以前に」思ったからである。
 
 この「以前に」というのがポイント。何を隠そう決して今現在そう思っているわけではない(笑)。そう思ったのは遙か昔の23年前のこと。
 1987年3月、サロネンスウェーデン放送交響楽団を率いて来日公演を行った。プログラムのメインはブルックナー交響曲第4番ロマンティック。サロネンはこの時が初来日だったと思う。生年月日を調べたら1958年生まれだから、当時若干28歳の新進気鋭だった。
 
 クラシックファンという連中はえてして安定志向で、新顔よりも熟達者が好きだ。当然、出掛けるコンサートも知名度のある指揮者を選びがち。どうして私が当時全く無名の若者が指揮する外来コンサートに行ったのかは憶えていない。だが、その公演を聴いた直後、私は一緒に行った友人に、やや興奮気味に「彼はカラヤンの次の・次の・次の監督になるに違いないっ!!」と宣ったのである。
 
 「次の次の次」というのは、要するに適当に「15~20年後くらい」を指しただけに過ぎないのだが、まさしくラトルの次に当たる。
 
 実際このコンサートは素晴らしかった。サロネンは若いのに堂々としていて自信に溢れていた。集中力があり、オーケストラをグイグイと引っ張っていた。まさに「若きマエストロ」の風格だった。
 私はピンときた。彼こそ次世代を担うニューヒーローだ。しかもカッコイイときている。実力と人気を兼ね備えたスターになる。
 
 
あれから23年・・・。
 
 サロネンが重要な指揮者の一人であることは確かだ。だが、順調に世界の頂点に登り詰めているかと言えば、そうでもない。それどころか、永くアメリカの西海岸に拠点を置き、安住していたこともあって、とても世界の楽壇の中心にいるとは言い難い。話題にさえ上がらない時期もあった。
 さらには「俺っち、作曲家だもんね~。」と指揮者の王道から逸れかけたこともあった。
 
 スウェーデン放送交響楽団のコンサートに一緒に行った友人クンは私の「予言」なんてすっかり忘却の彼方なのだろうけど、私は「ちぇっ、サロネンどうしちゃったんだよ、おいおい・・」と内心忸怩たる物があったのだ。
 
 ところが、である。
 最近、サロネンの評価が再び急上昇だ。勢いを増してきた感がある。
 一昨年のロスフィルの来日公演は、残念ながら私は行きそびれたのだが、「凄かった」という感想をあっちこっちで聞いた。ロスフィルの実力を飛躍的に向上させた後、欧州に戻ってきた。フィルハーモニア管の首席指揮者に就任。昨年ザルツブルク音楽祭ウィーンフィルを指揮し、この秋も再びウィーンフィルに登壇して、そのまま日本にやってくるのだ。
 
こ、これは・・・ひょっとして・・・!?
まだ望みがあるぞ、ベルリンのポスト。
頑張れサロネン。23年前に、すでにキャリアの頂点を予言した日本人がいるのだぞ!
 
・・・・でも・・・。
 
今のところ、ベルリンとは接点なさそうだしなあ・・・。
 
ラトルの次はやっぱりティーレマン??(笑)