指揮 小泉和裕
ジェニファー・ギルバート(ヴァイオリン)
ベルリオーズ 海賊序曲
グラズノフ ヴァイオリン協奏曲
ニールセン 交響曲第4番 不滅
かなり以前の話であるが、あるクラシック好きの友人が「小泉和裕って指揮している格好がカラヤンに似ている。」と話したことがあった。その時は「ほんまかよ」って軽く流したのだが、先日、某ネット掲示板を眺めていたら、同様の書き込みを見つけた。
小泉さんがカラヤンから直接教えを請うたのかどうかはよく知らないが、カラヤンコンクールで優勝し、その後にベルリンフィルを振った経歴があるので、ひょっとすると師事したのかもしれないし、棒の振り方についても影響を受けたのかもしれない。ただ、いずれにしても私自身はそういう印象を持ったことは一度もなかったので、この日の公演で確かめてみました。
う~~~む。 微妙だなあ(笑)。
私はかろうじて生カラヤンに間に合った人間であるが、既に晩年に差しかかっていて、ダイナミックさに翳りが生じ、両手をまっすぐに伸ばして上下空手チョップ運動を繰り返している様だった(笑)。その姿に似ていると言ったら、それは小泉さんに失礼というものだろう。
もし似ているとしたら、目をつぶりながら一心不乱にタクトを振ってベルリンフィルのつわもの連中をねじ伏せていた全盛期の頃の姿に違いない。そうなると映像でしか見たことがないが、まあ確かにやや前屈みになりながら体の正面に漂う空気を腕で切り裂く姿がほんの少し似ていなくもない。
が・・・。
でもやっぱ微妙ですね(笑)。
この日の公演、そんなことばっかり気にしながら聴いていたものだから、小泉和裕の音楽そのものに完全集中できず、少し後悔した。
でも一曲目の海賊もメインの不滅も、都響の高性能さを十分引き出していたと思う。
両方ともテクニカルで鮮やかな曲なので、ビシッと決まれば見事に名演となる。実際、見事に決まってブラボーが飛び交いました。
不滅は本当にかっこいい曲ですね。ティンパニーかっこいいよね。‘目立とう精神’で荒れ狂ったように叩いてもいいのに、都響のティンパニー奏者は「これくらい別に普通ですよん♪」と涼しい顔で叩いていたのも、それはそれで味わいがあった。
残念ながら、二曲目のコンチェルトは全くダメ~。J・ギルバート、この程度の実力なのか??ちょっとまずいんじゃない?
私はこのブログで、感想を書くに当たって「良くなかった」と不平を述べるより、なるべく良かった点を見つけてそれを書こうと常に意識している人間ですよ。ああ、それなのに。出直してきなさい。兄の七光りでは困ります。