クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2010/4/10 東京・春・音楽祭

2010年4月10日 東京・春・音楽祭  東京文化会館
指揮  リッカルド・ムーティ
管弦楽団  東京春祭特別オーケストラ
合唱  東京オペラシンガーズ
デジレ・ランカトーレ(ソプラノ)、マックス・エマヌエル・ツェンチッチカウンターテナー)、リュドヴィク・テジエバリトン
モーツァルト  交響曲第35番ハフナー
オルフ  カルミナ・ブラーナ

 待ちに待った公演。本当に楽しみにしていました。
 大御所小澤征爾を担ぎ上げて2005年から始まった「東京のオペラの森」音楽祭だったが、いつの間にかその大御所もいなくなり、演目からもタイトルからも「オペラ」が消えてしまった。だが、フェスティバル3回目の登場となる皇帝ムーティをお迎えしている限りは安泰(笑)。
 
 それにしても、ムーティ様の貫禄ときたら!
 マエストロが舞台に登場しただけで、会場が熱気に包まれる。まさに千両役者!って感じ。
 
 きっとオーケストラ奏者の方々も、こんなビッグネームの指揮者の元で音楽を演奏できることの喜びを噛み締めていたのではないだろうか。
 N響の元Vnトゥッティ奏者だった方の本を拝読したのだが、その人によると、「本来、指揮者はプレーヤーのカタキ」なのだそうだ。「人につらいことを全部押しつけておいて、手柄は横取りする、嫌われて当然の存在」であると(笑)。更に「奏者は指揮者よりも練習し、経験を積んで曲を知っているので、我々のささやかな願いは『せめてジャマをしないで』に尽きる」だと(笑)。
 
 だけど、さすがにムーティクラスの超大物を前にしては、そんな事は言えまい。私が奏者だったら「ギャラ要りませんから、逆にお金払いますから、ムーティの演奏会に乗せてください」と懇願することだろう。
 
 この日の特別編成オーケストラは、まさに指揮者に対する尊敬の念がありありで、手となり足となって忠実な僕に徹し、音楽を奏でていた。

 だが、ちょっとあまりにも忠犬すぎたような気がしないでもない。日本人特有の真面目さが出過ぎて、やや硬かったか。
 
 その御大ムーティ先生であるが、もちろん見た目の若々しさは相変わらずなのだが、やはり以前に比べると、タクトのダイナミックさに翳りが見える。もっともっと煽るはずなのに。(私は2004年3月に、この日と全くプログラムが同じであるスカラフィルのコンサートを聴きにミラノに行ったが、その時のカルミナの指揮では腕をブンブン振り回し、ジャンプしまくりだった。)
 
 とまあ色々書いたが、結論的には本当に素晴らしい公演だった。私はマエストロの信奉者ですので、ムーティの演奏なら諸手を挙げて「ばんざ~い」です、ハイ。