2010年3月6日 ウィーン放送交響楽団 オペラシティホール
指揮 ベルトラン・ド・ビリー
グザヴィエ・ド・メストレ(ハープ)
ファリャ 三角帽子より第2組曲
ロドリーゴ アランフェス協奏曲(ハープ版)
ドビュッシー 牧神の午後への前奏曲
ドビュッシー 交響詩海
2年連続、時期的にもちょうど一年ぶりの来日公演だ。オケの首席奏者も見覚えのある人達で何となく親しみを感じる。
昨年は客演指揮者キタエンコであったが、今年は首席指揮者ド・ビリーだ。
オーケストラの印象は昨年と変わらない。機能美は備わっているが、個性はそれほど強くない。フランス人のシェフによるスペイン物とフランス物の選曲ということで、もっと強烈にラテンの香りが放たれるかと思いきや、そうでもない。ここらへんがまたウィーン放響らしい。
指揮者ド・ビリーもまたしかり。果たしてこの演奏が彼の持っている物の全てなのだろうか?
上記の通りオーケストラ自体に頑固な音のこだわりがないのだし、ましてや首席指揮者なのだから、やろうと思えば得意の‘お国物’で独自の世界を構築することは容易いはずだ。なんか「この程度でOK」みたいにお茶を濁された印象を免れない。
それでもこの日は‘聴き物’があったから良かった。
一つはド・メストレによるハープの協奏曲。彼の奏でる美しきアルペジオに観客は酔った。特に女性の方々はぞっこん惚れちゃったのでは?(笑)ギター協奏曲がしっかりとハープ協奏曲に変容しつつ、所々でギターのような奏法を採り入れるなどして、オリジナルの魅力を損なわずに面白さを表現していた。
もう一つはアンコール、ポルカ「雷鳴と電光」。
そういや、去年のアンコールでもシュトラウスのウィンナ・ポルカで観客を熱狂させていたな。そしてやっぱり去年と同じ感想を抱く。指揮者が誰であろうと「ウィーンはウィーン」