2010年2月19日 読売日本交響楽団定期演奏会 サントリーホール
指揮 レイフ・セーゲルスタム
マーラー 交響曲第7番 夜の歌
今年は生誕150年でマーラーイヤーだそうだ。ということで、内外のスケジュールを見渡せば、彼の交響曲を採り上げるコンサートがやたら目に付く。おそらくほとんど全ての交響曲を生で鑑賞することが可能だ。
相変わらず人気の高いマーラー。だがその中では、4番と7番はどうもイマイチのようで。7番、結構面白いと思うがなー。
ということで、行ってきました読響。指揮はフィンランドからやって来たサンタクロース、セーゲルスタム。
読響会心の演奏!
このオケ、まず演奏技術レベルが高い。ひょっとして日本一じゃなかろうか?日本一はN響だと思っている方、読響を聴くべし。
7番は他のマーラーの交響曲に比べ、勢いやら情緒感とかで何とかなる物ではないので、各セクションの技術的クオリティが必須だ。特に金管ね。
その意味において、昨日の演奏は文句無し。トランペットの輝かしい高音、テナーホルンの力強い音、木管楽器群のベルアップが炸裂し、かっこいいったらありゃしない。
指揮のセーゲルスタムであるが、いつもそうだけど、この人はタクトにおいて特別な動きをしない。(その体型から『しない』ではなく『出来ない』という噂アリ) 視線は常に目の前の楽譜に置き、テンポを刻みながら時折各奏者に合図を送るくらいだ。例えて言うなら、陸上長距離トラック選手のラップをコーチがただじっとストップウォッチで計測していて、時折「あと二周!」「ペース上げろ!」と声を掛けるみたいな。
なのにそこから出てくる音楽が素晴らしいとということは・・・考えられるのは二つ。一つは、リハーサルにおいて卓越した理論によって音楽を作り上げてしまい、本番はそれを披露するだけという場合。もう一つは、奏者が一番気持ちよく演奏しやすいポイントを捉えて自由に表現させる場合。
セーゲルスタムの場合はどちらなのだろう?
両方ってところでしょうか?