クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2010/2/5 新日本フィル

2010年2月5日 新日本フィルハーモニー交響楽団  トリフォニーホール
指揮  ヒュー・ウルフ
タチアナ・ヴァシリエヴァ(チェロ)
モーツァルト  交響曲第39番
シューマン  チェロ協奏曲
ショスタコーヴィチ  交響詩 十月革命


 偏見はいかん。良くない。 と頭では分かっているのだが・・・。
 『ドイツやオーストリアこそがクラシックの絶対的な本場、そこの出身者こそが本流を汲む』なんて思っているコテコテのクラシックファンって、結構多いのではないだろうか?

 私自身「自分は決してそんなことはない」と思いつつ、信じつつ・・・もし、次の問いに答えるとしたら・・。

質問「コンサートに行くとしたら、どっちに行きますか?」
A サム・ジョーンズ(仮名)指揮 ベルリンフィル
B ゴットフリート・シュタインベルガー(仮名)指揮 ベルリンフィル

 そりゃBだ!B!B!

 ほらね(笑)。

 さて、ヒュー・ウルフ。名前も顔も、誰が何と言おうとアメリカ人。いくら略歴で「パリ生まれ」「フランクフルト放響の監督だった」と書いてあっても、「でもアメリカ人だろ?」と心の中で突っ込んでいる自分がいる。やっぱり私も偏見を持っているのだ。指揮者でもオペラ歌手でも器楽奏者でも、世界で活躍し、主要な位置を占めているアメリカ人は大勢いるというのに。いけない、いけない。反省しつつ、素直に音楽に耳を傾けようと気持ちを整理して会場に向かう。

 一曲目。
 溌剌としたモーツァルト。序盤こそ乗り切れていなかったが、すぐにエンジンが掛かって爽快な演奏になる。ところどころに仕掛ける変化球が微妙なニュアンスにつながって面白い。

 メインのショスタコ
 巨大なオーケストラに対して揺るがない自信に満ちたタクト。ホール一杯に鳴り響く圧倒的なサウンド

 いいではないか!ウルフ。曲もオケもしっかり掌握しているぞ。素晴らしいぞ。会場からはブラヴォーもかなり飛んでいたぞ。

 そこで提案だが、ウルフ(Wolff)じゃなくて、‘ヴォルフ’と呼ばせてみてはいかがでせうか??これで一気に本流の仲間入り??    スミマセン余計なお世話、不まじめな意見で。


 実を言うと、このコンサートで一番良かったのは、ヴァシリエヴァのチェロ協奏曲。チェロという楽器を通してヴァシリエヴァの心のこもった歌を聴いたという印象。ショスタコーヴィチ版のオーケストレーションも新鮮だった。