2010年1月21日 東京都交響楽団定期演奏会 東京文化会館
指揮 井上道義
岡田博美(ピアノ)、天羽明恵(ソプラノ)
野田暉行 コラール交響曲、ピアノ協奏曲
ブリテン シンフォニア・ダ・レクイエム
ベルク 歌劇「ルル」より交響的小品
オーケストラによる純粋な管弦楽曲のコンサートは約1ヶ月ぶり。着席して「いや久しぶりだなあ」となんだかワクワクし、うれしくなった。
そしたら、さ。
野田氏の作品。始まったよ、またお化け屋敷のBGMが。
「ふわああ~・・・」「ひゅう~~・・・」「ギュルルル~・・・」
「ととと、ドカン、ドド、ッットト、ッテッテ・・」
「苦笑」の一言だ。
以前にも私はブログで書いたことがあるが、現代音楽の作曲家たちは、単に「今まで無かった新しい響き」を追求、開発、実験しているだけと言っていい。必然的に不協和音。メロディは無いに等しく、リズムも不安定。
専門家や一部のマニア以外で、こういう難解な音楽をありがたく受け入れる人がいったいどれだけいるというのだろう?この日の公演に足を運んだ観客のいったい何人が「前半の曲、いい曲だったね」と満足して帰宅したのだろう?
私は現代音楽はクラシック音楽と認めない。違うジャンルだと思う。(「現代」と「クラシック」という言葉自体がそもそも対極を成している。)
まあいいや。
もともとこの日の楽しみは後半にあったのだから。それに前半の曲のおかげで、ブリテンがなんと音楽的に聞こえたことか!なかなか聴けないシンフォニア・ダ・レクイエムの魅力を十分引き出したという意味で、前半の価値はあった。(超皮肉)
実際、この日のハイライトはブリテンだったと思う。都響の演奏も見事であった。もちろん、見事な演奏を引き出した指揮者井上道義を讃えるべきだろう。
メインのベルクはやや微妙でしたね。
悪くはなかったし、指揮者もオケもソリストも十分健闘したが、ルルの魅力が伝わってこない。やっぱり「オペラ」という作品として、全曲を通して聴いた方が分かりやすいし、捉えやすいと思った。