クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

マーラー 交響曲第8番「千人の交響曲」

みなさんは初めて聴いたマーラー交響曲は何番ですか?

たいていの方は1番か5番というところではないだろうか。
マーラー交響曲の中では、録音でも上演でも上の二つは群を抜いて多いし。

なにを隠そう、私は「8番」なのである。確か高校1年。まだクラシック初心者の私。
なぜ1番でも5番でもないのか・・・。

答えは簡単だ。
単純にサブタイトルに魅せられたのだ。つまり、はっきり言うと「マーラー」ではなくて「千人」に惹き付けられたわけである。

「千人の交響曲」  なんという響きだ。タイトルだけで空前絶後で壮大なスケールの交響曲であることが一目瞭然ではないか!
 合唱が含まれているなんて露知らず、「交響曲なんだからオーケストラ曲だろう」と思い込み、そのオーケストラだけで千人だなんて、いったいどういう曲なんだろう??
クラシック初心者の想像のボルテージはぐんぐんと増幅。グロテスク100%。佐渡裕指揮1万人の第9 in 日本武道館みたいな怖い物見たさ。(ああ怖)

「さぞやもの凄いんだろうなあ。音がぐあんぐあん鳴り響くんだろうなあ。腰抜かしちゃうかもしれないなあ。」
ワクワクして手に取ったレコード(CDじゃないよ)は、R・クーベリック指揮のバイエルン放送交響楽団
さっそく買って針を落としてみた(レトロな響き)のだが・・・。

「???なんじゃこりゃ???」が第一印象。

これは交響曲なのか??楽章が二つしかないし。これって合唱曲なんじゃないの??

そして楽しみにしていた千人という通常のオケの10倍規模の特大演奏。だが・・・。

普通だ。全く普通だ。千人で演奏しているふうには全然聞こえない。ベートーヴェン第9最終楽章と変わらないじゃん。
拍子抜け~。グロテスク0%。ちょっと詐欺にあった気分。はい、そのままお蔵行き~。

同時にマーラーという作曲家への不信感が募った。
「こりゃ第一番の『巨人』とか第二番の『復活』とかのタイトルも怪しいな。こいつは壮言大語なだけの、イカサマ野郎に違いない。」
私のマーラーに対する最初のイメージはこうでした。(笑)

この曲の真の偉大さに気付くまで5年を要しました。もちろん生公演。やっぱり録音じゃダメですね~。