2009年10月24日 NHK交響楽団定期演奏会 NHKホール
指揮 アンドレ・プレヴィン
池場文美(ピアノ)
プレヴィン オウルズ
モーツァルト ピアノ協奏曲第23番
ショスタコーヴィチ 交響曲第5番
プレヴィンについて、ロシア系のドイツ生まれなのにアンドレという名前がフランス風なのが妙に気になって、電子辞書ウィキペディアで調べてみた。
そうしたら、本名は「アンドリス・ルートヴィヒ・プリヴィン」だそうだ。(いかにもドイツっぽい(笑))そんでもって、アメリカ亡命の前にフランスにも一時期居たんだそうだ。へえー、初めて知った。
この検索で、世界のクラシックファンが驚いたムターとの電撃結婚は2006年に終わっていることも、同じく初めて知りました。この日のピアノソリスト、池場さんはプログラムによるとムターのパートナー(伴奏者)だそうだ。今回の共演も、ひょっとしてムターの推薦があったんじゃないかと推測したが、果たしてどうだったのだろう?
公演の話にしましょう。
ポテンシャルはあるはずなのに、なんかふぬけた演奏で、N響に対して歯がゆい思いを抱くファンは多いんじゃないでしょうか。
で、昨日は「やるときゃやるよ」という気の入った立派な演奏だった。(「やるときゃやる」んじゃなくて、「いつもやれよ」という突っ込みを入れたくなるが(笑))
N響にそういうやる気を起こさせたのは、もちろんプレヴィンのカリスマ性によるものだ。
メインのタコ5では、色鮮やかで迫力のある音響の構築ではなく、モノトーンにして響きの透明さを追い求めていた気がする。第一楽章のヴァイオリンのヴィブラートを少なくしたり、第3楽章のラルゴでは音量を終始抑制するなどのコントロールの結果、この曲が持つ冷涼感が一層醸し出されていた。
一流奏者揃いなはずなのに、日頃、なんかミスが多い金管楽器群も、この日は冴えがあった。特にホルンは出色。やっぱりN響にはポテンシャルが備わっており、素晴らしい指揮者が振るとうまいのだ。
もしそうならば、これからN・サンティ、デュトワ、来年はビシュコフなど一流指揮者が控え、期待が膨らむ。
果たしてN響の巻き返しは続くのか?