クラシック、オペラの粋を極める!

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2009/9/7 F・メーリ リサイタル

2009年9月7日 フランチェスコ・メーリ テノールリサイタル  東京オペラシティホール
フランチェスコ・メーリ(テノール
セレーナ・ガンベローニ(ソプラノ)
浅野菜生子(ピアノ)
マスネ マノンより「目を閉じれば」
ドニゼッティ アルバ公より「清らかで美しい天使よ」
ヴェルディ 第一次十字軍のロンバルド人より「私の喜びは呼び覚ます」
ヴェルディ 椿姫より「パリを離れて」
チレア アルルの女より「フェデリーコの嘆き」
ドリーブ ラクメより「どんな神、どんな神だって、ああ」   他


 フランチェスコ・メーリ。この名を憶えておいた方がいい。

 もっとも、憶えてなくたって問題はない。どうせ、少なくとも10年以内には嫌でも憶えざるを得ないほどの圧倒的な知名度を博しているであろうから。
 イタリアのメジャー歌劇場だけでなく、世界の一流歌劇場で欠かすことの出来ないテノールとしてその座に君臨しているはずだ。

 残念ながら、現時点に於いてはまだまだ知名度は高いとは言えず、昨日のリサイタルでも全ての席を一杯に埋め尽くすことはできなかった。
 しかし、最初からメーリのとてつもない才能を知っていて会場に足を運んだ人は大いに確信を覚えたであろうし、そうでない人も十分にその片鱗を感じたであろう。
 もっと言えば、昨年のペーザロ・ロッシーニフェスティバル(マオメット2世のエリッソ役)で来日し、既に多くのファンが‘スター誕生’を目撃しているのだ。

 声のタイプで言うと、若き日のカレーラスを彷彿させる印象。でも、別にカレーラスのレパートリーに留まることなく、オールマイティで、昨日のリサイタルでも、ベルカント物、ヴェリズモロッシーニ軽量系、リリコ系、スピント系と実に幅広い。で、これがまたどれも完璧!本人も自信満々「どっからでもかかって来い!」って感じだった。これはホント楽しみですねエ。


 ところで、スーパースター候補の若き才能を誰よりも早く感知し、その後順調に成長していく姿を見ていくのは楽しいし、なおかつ何となく「自分が発掘した」みたいで、どこか誇らしい気分になりますよね!

 私は、上記のロッシーニフェスティバルをさらに遡る2005年のボローニャベッリーニの「夢遊病の女」のエルヴィーノ役)で見つけ、その時既にこの大器の開花をいち早く確信した人間であ~る。(どーもすみませんね、自慢っぽくて)

 だから昨日のリサイタルでは、ステージに上がってマイクを持って、私が彼を紹介したかったっす。
 あるいは横断幕でも作って掲げたかったっす。
「日本人で、彼の非凡な才能にいち早く気付いたのは、『この私』っす!!」

 場内「うるせえバカ」「関係ねーだろ」「引っ込め」「自慢するな」の大ブーイングであえなく退場させられてしまうに違いないが・・・。


 最後に、昨日のリサイタルで、ソプラノ歌手で彼の奥さんが公演に花を添えるかのように賛助出演していたことも‘いちおう’記しておく。特にコメントはありません(笑)。

 あ、そうそう。

 いくつかの二重唱では、お互いヒシッと抱き合ってラブラブで歌っていたが、ライダーキックの一発でもお見舞いしてやろうかと思いました。