2026年2月17日 大阪フィルハーモニー交響楽団 サントリーホール
指揮 尾高忠明
林眞暎(メゾ・ソプラノ)
エルガー 弦楽のためのセレナード、海の絵、交響曲第3番(ペイン補筆版)
管弦楽曲や交響曲のオーケストラ演奏を聴くのが好きな愛好家・マニア連中は、インバル&都響のマラ8公演にこぞって足を運んだことだろう。そして、さぞや熱狂のコンサートだったことだろう。
ワッシもホントは行きたかった。でも、グッと我慢した。少し先に、別の公演でマラ8を聴く予定があるからだ。(日本フィルじゃないよ)
以前にも申し上げたことがあるが、鮮度を保つため、私はなるべく同じ曲を続けざまに聴かないように、慎重に調整をしている。今回は、そっちの方に重きを置き、インバルをパスした。残念ではあったけどな・・。
代わりにと言っては何だけど、行ってみたのが大阪フィル公演だ。
エルガー三昧。ペイン補筆の3番を初めて生で聴く機会。
草稿やスケッチだけが残された未完の作品を、作曲家の死後、弟子とか研究者とかが引き継いで補筆し完成させる、というのは決して珍しいことではなく、何例かある。
最も有名なのは、モーツァルトの「レクイエム」であろう。あとは、プッチーニの「トゥーランドット」、マーラーの「交響曲第10番」とか。
デリック・クックによるマーラー10番の補筆版は実に素晴らしく、マーラーの世界観が十分に備わっていると同時に、「これはクックか、それともマーラーか」といった議論を越えて、一つの作品として十分に完成していると思う。
今回演奏されたペインの補筆も、クックに負けず劣らず素晴らしい出来栄えだ。聴いていて、「エルガーだな~」としみじみ思うもん。
もちろん、エルガーの専門家やマニアの中では、細かい部分で色々と指摘や異論があるかもしれないが、私なんかは「別にそんなのいいじゃんかよ」と思う。上に書いたような「エルガーか、ペインか」みたいな不毛な議論はやめて、一つの作品として楽しもうではないか。だって、いい曲なんだから。
尾高さんの指揮は、さすがエルガーを得意としているだけあって安定感バツグン。音楽の中に作品への共鳴が聞こえるし、音を取り出すツボを心得ている。鳴らせるところは鳴らし、聴かせるところは聴かせて、その流れがとても心地良い。
それにしても、尾高さん、自分の得意分野、専門性をしっかり手に入れているなーと、改めて思う。
BBCウェールズ響の首席指揮者だった時に、エルガーやウォルトンといったイギリス音楽に出会い、目覚め、「自分が進むべき道はこれだ!」と見つけたんだろうな。そういう自信、絶対的なものを持っている人間というのは、世の中で強いよ。
最後に、尾高さんや大阪フィルのことではないが、会場で引退した井上道義さんを見つけた。
実は、15日の二期会のカヴァ・パリ公演にもいらした。
悠々自適なんですかねー。
「ううっ・・、振りてぇーー」なんてことない??(笑)