クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2025/7/20 群盗

2025年7月20日  バイエルン州立歌劇場(ミュンヘン・オペラ・フェスティバル)5
ヴェルディ   群盗
指揮   アントニーノ・フォリアーニ
演出   ヨハネス・エラート
エルウィン・シュロット(マッシミリアーノ)、チャールズ・カストロノーヴォ(カルロ)、アルフレード・ダザ(フランチェスコ)、リセット・オロペサ(アマーリア)   他

 

一昨年の「第1回十字軍のロンバルディア人」、昨年の「アルツィーラ」「スティッフェリオ」に続く、ヴェルディのレア演目鑑賞シリーズ。なかなか上演されないオペラ作品を観るのは、海外鑑賞の醍醐味ってやつだ。

本公演は2020年プレミエの再演。当時とは指揮者を始め、多くのキャストが入れ替わっている。

J・エラート演出によるプロダクションを初めて観た。モノトーンを基調にした舞台。現代読替えではなく、照明を駆使し、象徴的な置物などを配置しながら、物語を暗示していくという手法。また、登場人物の出自や人物形成などを匂わせるために、若かりし頃の黙役俳優を配置するなど、それなりの工夫の形跡は見られる。
ただ、舞台の基本セットは変わらず同じだし、終始暗いので、ドラマとしては起伏がなく薄っぺらく感じる。新機軸も特になく、正直に言って退屈だった。
イメージを膨らませながら音楽で語る、とでも言えば聞こえが良いのだろうが・・・。


救いはアマーリア役のオロペサで、一人奮闘。語り口はソフトだが、声には芯があり、色もある。叙情的に歌い上げる場面と感情的に鋭く歌い上げる場面を機敏に使い分ける巧みな歌唱テクニックもある。観客からたくさんのブラヴォー(ブラーヴァ)を貰っていたのは、至極当然であった。

彼女に比べると男性陣は、まあなんというか、いわゆるフツーというか。カストロノーヴォはもっと強いインパクトを残す歌手のはずだが・・・。
いや、ここは凡庸な演出の犠牲になってしまったということにしておきましょう。


ところで、その演出家エラートは、来年6月から7月にかけて新国立劇場が上演するR・シュトラウスエレクトラ」新演出を担当することになっている。
今回の「群盗」だけを見てダメ烙印を押すつもりはさらさらない。「エレクトラ」、斬新な演出を期待している。