2025年3月7日 日本フィルハーモニー交響楽団 サントリーホール
指揮 カーチュン・ウォン
合唱:東京音楽大学
吉田珠代(ソプラノ)、清水華澄(メゾ・ソプラノ)
マーラー 交響曲第2番 復活
カーチュン・ウォンの鮮やかなマーラー解釈が冴えまくった快演。
この指揮者の中に、2つの確信がはっきりと見えて取れた。
まず、楽譜に書いてあること、つまりマーラーが指示していることを漏れなく正確に表現することの確信性。
しかもスコアに含まれている膨大な情報、それらを全部頭に叩き込んでいるので、暗譜で振ることに対し、微塵たりとも揺らぎが無い。
もう一つは、指揮者自身の脳が捉えた「これだ!」という音を引っ張り出し、一切の躊躇無く強調させることの確信性。
「そこを引き伸ばすか!」みたいなカーチュン独特の‘ため’やアゴーギクも一部で展開されたが、あまりにも説得力が強いので、すべてが正解に聞こえてしまうほど。絶対的自信の塊。
日本フィルの演奏も見事。
マーラーの場合、音を並べるだけでも一苦労のはず。それなのに、指揮者の細かな要求に応え、持てる力の100%を発揮しながら、決して容量オーバーを起こさず、破綻しない。
もしかしたら「そんなの、プロとして当たり前」と言う人もいるかもしれないが、でも私は日本のオーケストラによるマーラー演奏で、実際に容量オーバーを起こし、破綻したケースを過去に何度となく見聴きしている。もっと言うと、日本フィルそのものが、かつて「あれまあ・・・」みたいな時代があったことを、私は体験的に知っている。
日本フィル、昔に比べて格段に上手くなった。
合唱も均整が取れ、しっかりとしたトレーニングの成果が現れていた。
ソリストについて、メゾの清水さんだが、日本トップ級、折り紙付きの実力には十分に敬意を払いつつ、第4楽章「原光」の歌い方は、個人的に「このように歌ってほしい」という基準(主として声の響かせ方)から大きく乖離してしまい、少々残念だった。
日本フィルと同様に東京シティ・フィルも、昔は「あれまあ・・」だったが、近年の飛躍的な実力向上は目を瞠るものがある。高関さんの功績であることは間違いない。
その高関健指揮の東京シティ・フィルの定期演奏会に、今日これから行ってくる。