2024年10月19日 NHK交響楽団 A定期演奏会 NHKホール
指揮 ヘルベルト・ブロムシュテット
オネゲル 交響曲第3番 典礼風
ブラームス 交響曲第4番
「97歳の奇跡の指揮者ブロムシュテットだから」といって、ただそれだけで盲目的に礼賛するつもりはない。純粋に、どのような音楽を聞かせてくれるのか。自分なりにしっかりと集中し、耳を傾けた。
聴き終えて、自分の感性に問い質した末の結論を、率直に言おう。
「ズバリ、名演」であった。
前回のB定期でもそうだったが、高齢の指揮者を座らせ、お飾りにして奉り、あとはオーケストラがうまくやる、という感じが皆無。音楽は100%指揮者が作り、そしてリードする。そのタクトは、的確であり機敏。
「指揮者というのはそういうもの」ということで、当たり前かもしれないが、それでもやはり年齢を考えると、信じられないことだ。
たぶん、それこそがブロムシュテットたる所以なのだろう。
自分がオーケストラをリードする。主導権は譲らない。自分の思うとおりに音楽を描く。
ブロムシュテットの頭の中には、明確な音楽が存在している。あとは身体を使って表現するだけだが、確固たるものがあるから、たとえ腕の振りが弱くても、しっかりと伝わってくる。
そこらへん、N響奏者の皆さんの集中力とアンテナの感受性がすごいと思う。(本番における演奏時だけでなく、リハ段階での組立部分も含めて。)
我々聴衆がブロムシュテットの公演が特別だと思っているのと同様に、N響奏者さんにとっても、きっとものすごく特別なのである。
特に後半のブラームスは、指揮者だけでなくオーケストラ奏者も作品を熟知していることもあり、指揮者のメッセージを受け取りながら、より自発的に音楽を増幅させようとする動きも見受けられ、素晴らしいと思った。この絶妙な阿吽の呼吸と強固な関係こそが、長年にわたって共演してきた信頼と絆であり、名演を呼び込んだ源泉だった。
既にN響は、早くも2025-26シーズンの定期公演プログラムを発表している。
そこには、当然のごとく、10月のABC公演にブロムシュテットの名が入っている。
今回の来日公演を聴き、元気なお姿を拝見して、「来年もいけるんじゃないか」という期待がますます膨らんでいる。