午後4時からバイロイト音楽祭で「タンホイザー」。午後1時半にニュルンベルクを出発し、バイロイトに向かうが、その前に行ってみたい場所があり、午前中に訪ねた。
その場所とは、ニュルンベルク裁判所。
第二次世界大戦の戦勝国(連合国)がナチス・ドイツの戦争犯罪、22人の被告を裁いた有名な国際軍事法廷だ。現在は歴史博物館として一般公開されている。
ナチスの行為は、平和の観点からも人道の観点からも、人類史上の汚点として刻まれるべき大罪。首謀者連中であるナチの幹部が、きちんとした法によって厳粛に裁かれるのは、至極当然のこと。
ところが、この「きちんとした法」というのが厄介な問題で、戦勝国側によって一方的に裁かれたという事実。その中立性、客観性、正当性については現在でも議論や批判があり、評価が定まっていない。
肝心の裁判が行われた第600号法廷だが・・・改修され、内装が変わってしまい、何だか普通の施設になっていたのであった。
ええーー! 当時のそのまま保全すべきでしょうよ。歴史を伝えるための遺産として残し、未来に渡って守っていくものじゃないの?
昼食を取って、電車でバイロイトへ移動。
この日は、公演の鑑賞後、バイロイトに宿泊せず、ここニュルンベルクに戻ってくる。
バイロイト詣ではこれで3回目だが、バイロイト市内に宿を取らなかったのはこれが初めて。バイロイトは、どの演目もだいたい午後10時くらいには終演となるように開演時間が設定されているので、その時間帯なら、終演後にちゃんとニュルンベルクに戻れる電車があるのだ。
「指環」など複数公演を鑑賞するのであれば、バイロイトに宿を取った方がいいと思うが、今回は「タンホイザー」一公演のみなので、ニュルンベルクからの日帰り遠征で十分と判断した。