クラシック、オペラの粋を極める!

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2023/3/4 新日本フィル

2023年3月4日   新日本フィルハーモニー交響楽団   すみだトリフォニーホール
指揮  インゴ・メッツマッハー
クリスティアン・テツラフ(ヴァイオリン)
ウェーベルン  パッサカリア
ベルク  ヴァイオリン協奏曲
シェーンベルク  交響詩ペレアスとメリザンド


メッツマッハーが久しぶりに新日本フィルを振るために帰ってきた。

かつて同フィルのConductor in residenceというポストに就いていたメッツマッハー。ハンブルク州立歌劇場やベルリン・ドイツ響、オランダ国立歌劇場などで活躍していた彼を新日本フィルが目ざとく見つけてきた時、私は「へぇー、新日本フィルやるじゃん!」と感心したものだ。

彼と新日本フィルとの共演では、マーラー、R・シュトラウスワーグナーベートーヴェンなどのコンサートに足を運んだ。いわゆるドイツ物の王道プログラムだが、実は私が本当に聴きたかったのは、今回の公演みたいなプロだったのだ。
そう、今回のプログラムこそ、まさに「これぞメッツマッハー」。らしさバリバリ全開の尖ったプログラムである。期待値はMAX!

ところが、やっぱり案の定というか、客入りはガラガラというわけではないもの、空席が目立つ。
ライトな愛好家の方々は敬遠しちゃうんだろうなぁ。
まあいい。月曜日のサントリーホール公演は、きっともう少し入るだろう。


演奏は素晴らしかった!
さすがメッツマッハーと言いたいところだが、それよりも、新日本フィルのダイナミックかつ果敢な演奏に聴き惚れた。ものすごい立派な演奏。これ、名演と言っていいんじゃないの。近年、私が聴いた新日本フィルの中でも抜群だ。
やるじゃんか、新日本フィル

まあでも、結局は「新日本フィルからこれだけの重厚な響きを引き出した指揮者メッツマッハーの実力」、ということなのかもしれないが・・。


そのメッツマッハーのタクトというのは、何か不思議だ。
以前からずっと思っていたことなのだが、この人、近現代の作品が得意中の得意で、当然スコアは複雑に音符が入り乱れているはずなのに、振っているタクトはものすごくシンプルなんだ。
ほんとに「イッチ、ニ、サン、シッ」って感じ(笑)。
時々足がガニ股に開いて、お世辞にもカッコよくないのに、そこから引き出される音楽はポリフォニックかつ精妙多彩。

やっぱ、職人なんだろうねぇ・・。


コンチェルトを弾いたテツラフについては、本日、これから彼のリサイタルに行くので、その感想と共に書いていこうと思う。
3日連続公演なんだね、テツラフ。