クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2022/3/6 群響

2022年3月6日  群馬交響楽団 東京公演  すみだトリフォニーホール
指揮  藤岡幸夫
神尾真由子(ヴァイオリン)
ヴォーン・ウィリアムズ  すずめばち序曲
ウォルトン  ヴァイオリン協奏曲
エルガー  エニグマ変奏曲


たぶん以前だったら目に留まることもなく、スルーしたであろう公演。
今回、次のコンサートまで間が空いたので、何か行きたかった、というのが一つ。
それから、ここ一、二年くらいで国内のローカル・オーケストラを聴く機会が何回かあり、聴いてみたらそれなりに楽しめた、というのが一つ。

群響を聴くのは二回目である。
初めての時は、自分が行こうと思って行ったのではなかった。随分と昔、群馬の高崎に住む親戚(叔父)に誘われた。「クラシックが好きなんだって? じゃあ連れて行ってあげるよ。」みたいに。

「いいよ。結構だよ。はっきり言うけど、オレは叔父さんよりも遥かにマニアックなんだよ。」なんて心の中で呟いたが、さすがに口には出せない。親戚だからな。

確かメインはベートーヴェンエロイカだったと思う。指揮者は知らない日本人だった。オレが知らないって、よっぽどだぜ!?
演奏の内容もまったく覚えていない。気分的にどうでもよかったし、記憶に残すつもりがまったく無かったから、当然だわな。


そんなわけで、今回は実質的に初めてのようなもの。プログラムは指揮者のこだわりが感じられるし、なかなか面白いではないか。

指揮者のこだわり・・・
藤岡さんはイギリスに留学していたこともあって、同国の作曲家の作品を得意にしている。東京公演に臨むにあたって勝負に出た、というのはさすがに大げさだが、ある意味自分の持ち味を出してきたわけである。その志や良しだ。

演奏は十分に楽しめた。山形交響楽団を聴いた時も感じたが、ローカル・オーケストラだからといって「演奏レベルが低い」などということはない。(そりゃまあ、首都圏のメジャー・オケに比べればアレだが。)
そもそも私自身、コンサートを聴くにあたって、「上手いか下手か」にポイントを置いていないし、他と比較することに意味はないと考えている。
指揮者が作品やオーケストラから何を引き出すか、それに対してオーケストラがどんな反応を示すか。これらに着目すれば、多少の傷はまったく気にならないのだ。

そんな中でも、神尾さんのコンチェルトはこの日の白眉だったと思う。「私が考えるこの曲は、こうだ!」という主張がはっきり聴こえた。しかも、演奏自体はとてもエレガント。

聞くとことによると、藤岡さんが振る関西フィルで共演し、この曲を既に演奏したことがあるのだとか。なるほど、たしかにコンビネーションはバッチリだった。