クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

正月の恒例番組

明けましておめでとうございます

ところで、「明ける」というのはそんなにもめでたいことなのか??
それはなぜ?? 教えて、なぜ?

・・・スマン。ひねくれ者なんでね。

初詣なるものも、もう30年以上行ってねえ。
厳密に言うと、お付き合いで神社に行ったことはあるが、並び、賽銭を入れ、手を叩き、拝み、願い事を唱えるという、いわゆる初詣の一般的儀式には一切参加しない。

私は信仰は認めているし、そのものを絶対に否定しない。
ただ、普段から信仰していない人がその場限りの神頼みをし、そこに恩恵が訪れることについては、絶対に信じない。
つまりそういうことだ。


さて、話は変わってお正月テレビのバラエティ番組について。
お正月に限らず、芸能人がバカ騒ぎする番組は、基本どれもこれも私にとってくだらなく、大抵退屈である。だから、年末や年始に家族が集まった時、あるいは親戚の家に行った時、仕方なく居間に着席し、見たくもないテレビを見、楽しい団らんのフリをする時間というのは、ホント苦痛以外の何物でもない。

そんな私であるが、その中に唯一見る可能性があって、見たら見たで楽しめる番組がある。

ご存知、テレビ朝日系の正月恒例番組「芸能人格付チェック」である。

「可能性がある」というのは、放送を待ち構えて積極的に見るわけではないし、毎度毎回見ているわけでもないが、たまたまテレビを視聴する状況下にあった場合は思わず見てしまう、みたいな感じだ。(少なくとも、ニューイヤーコンサートよりよっぽど面白い。)

どういう番組かについては、今さら説明するまでもなかろう。
例えば「一本100万円のワイン」と「一本5千円のワイン」を芸能人たちが目隠しで当てる、みたいなチャレンジである。一見誰でも見分けられそうなのに、実際にはなかなか当たらなくて、「人間なんて所詮はいいかげんなもの」という滑稽な有り様を、みんなで笑い飛ばすわけだ。
番組の構成も上手く出来ていて、ワインなんかは現場で試飲した人にしか分からないが、そこに鑑賞型の芸術分野を組み込ませることで、一般視聴者もテレビを見ながらにして、チャレンジに参加することが出来る。

今年は、「総額65億の楽器(ストラディバリウス含む)と総額100万の楽器による弦楽アンサンブル演奏聴き比べ」、それから「プロ団体とアマチュアトップ団体によるゴスペル演奏聴き比べ」があった。

思わず自分も目と耳を凝らして、聴き分けに参加してしまう。
で、「自分は何十年も本格的な音楽鑑賞を続け、そこにかなりのお金を注ぎ込んできたわけだから、当然当てられる、外すわけがないさ」などと、自分を過信する。

ところがね、これが意外に難しく、分からないわけですな(笑)。
そりゃそうだろう。誰でも簡単に見分けられちゃったら、そもそも番組として成立しないのである。一見して分からないように工夫を凝らしていることは瞭然だ。だからこそ盛り上がる。

結果であるが、ストラディバリウスの高額楽器は、聴き分けがついた。
そして、ゴスペル演奏については、見事に外した。

もっとも高額楽器の聴き分けについては、ぶっちゃけ明確な判定は出来ず、確信もなく、「なんとなくこっちかな?」と思ったのが、当たった。
たまたま運良く当たっただけかもしれない。
一方で、「永年培ってきた自分の耳や感性が、知らずしらずのうちに磨かれていた賜物なのだ!」などと自画自賛し、自らを納得させたい気にはなる。

でも、これがもし、スタインウェイの2千万円ピアノと、某国内メーカーの200万くらいのピアノを聴き分けられるかと言ったら、どうかな。正直自信は無いわな。


こうした高級楽器の場合、聴く側の聴き分けの問題というより、むしろ演奏家が自ら追い求める理想の音にフィットしているか、という基準や満足の度合いの方が大きいのでは、と思う。

ちなみに、私は学生時代、一本300万円の弓を楽器店から拝借し、手にして、自分のヴァイオリンを奏でてみた経験がある。(当時、普段自分が使っていた弓は、たったの5万円だった。)

衝撃的だった。ぜーんぜん違うと思った。やっぱり本物はすごい。高い物は良いし、良い物は高い。
じゃあ、何がぜーんぜん違うのかといえば、それは多分に感覚的な問題であった。言葉で説明できないし、だからきっと聴き分けの問題でもないんだと思う。


さて、もう一つのゴスペルについてであるが・・・。
これはなあ。負け惜しみじゃないけどさ、所詮はゴスペルなわけだ。
これがゴスペルじゃなくて、クラシック合唱団のプロとアマの違いだったら、オレ、聴き分けられたと思う。
うん。絶対。きっと。多分、おそらく・・。