クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2021/10/14 東京シティ・フィル

2021年10月14日  東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団   東京オペラシティコンサートホール
指揮  高関健
ストラヴィンスキー   小管弦楽のための組曲第2番、ミューズの神を率いるアポロ、カルタ遊び、3楽章の交響曲


さすが常任指揮者の高関さん、豊富な経験と知識に基づいた、いかにもプロらしい絶妙の選曲プログラム・・と言いたいところだったが・・・。
実は、ほぼ同じプログラムを既にN響&P・ヤルヴィが2018年5月にやっている。組曲第2番を除いた3曲がかぶっているのだ。
もしたまたま偶然というのなら、それは残念無念。まさか「ちょっとパクっちゃいました」なんてことはないと思うが・・。

でも、よいよい。こういうプログラムは個人的に大歓迎だ。特に「3楽章」は好きな曲だし、知られざる名作だと思うので、こうして定期演奏会に採り上げてくれて、嬉しい。それに、シティ・フィルの方が1曲多くて、お得感があるではないか。

演奏については、一部もうちょっとクオリティを上げてほしいという箇所が散見されたものの、全体としては好演だった。特に後半は熱量も感じられ、ホールの空間がしっかりと振動した。

こうしたいかにもストラヴィンスキーらしい諧謔さや相反性が潜む作品で、複雑な構成を感じさず、きれいさっぱり、スッキリした味わいに仕上るのは、ひとえに高関さんの手腕によるものだろう。

この指揮者はとてもユニークだと思う。
タクトなんか超オーソドックスだし、見た目は中学のブラスバンドの顧問の先生って感じだし、カリスマ性という部分でどうなのかなーと思ってしまうのだが、きっと高い見識とスコアの解析能力で、並み居るオーケストラ奏者をあっさり納得させてしまうのだろう。
まさに、そうした一面が垣間見えたコンサートだった。

カラヤン指揮者コンクールジャパンで優勝し、そのカラヤンのアシスタントを務めたことがある、という経歴は伊達じゃない。
演奏前にマイクを持ってステージに登場し、作品解説を行ったが、「カラヤンは『ミューズを率いるアポロ』を得意にしていて、私も彼の指揮する演奏を10回は聴きました!」なーんて、ついつい昔の自慢話が出ちゃうわけだ(笑)。