2021年7月22日 霧島国際音楽祭 みやまコンセール
堤剛・鈴木優人デュオ&名手たちの饗宴
ウェーバー フルート三重奏曲
工藤重典(フルート)、笹沼樹(チェロ)、練木繁夫(ピアノ)
ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第1番
カルテット・アマービレ
ベートーヴェン ユダス・マカベウスの主題による変奏曲
シューベルト アルペジョーネ・ソナタ
堤剛(チェロ)、鈴木優人(ピアノ)
霧島国際音楽祭。今年が第42回目!(すげー)という国内クラシック音楽祭屈指の老舗だ。サイトウ・キネン、PMF、草津国際アカデミーなどよりも古い歴史を持つ。ゲルハルト・ボッセが創設に関わり、音楽監督になって伝統の礎を築いた。現在は堤剛さんがその任を務めている。
そんなわけで、音楽祭の顔になっている堤さんと、多方面で大活躍中の鈴木ジュニア、この二人の豪華共演というのが本公演の売りであり、メインイベント。
しかし、プログラムの中で最も私の心を捉えたのは、カルテット・アマービレの演奏だ。
桐朋学園大学在籍中の仲間で結成されたとのことだが、お友達感を微塵も感じさせず、高度なカルテット・アンサンブルに驚愕。技術が確かな上に、楽曲への追求姿勢も見せつけて、精緻かつ濃密、彫りも深い。
5年前に霧島国際音楽祭賞を受賞しただけでなく、世界的なコンクールでも入賞を果たしているようで、そうした実績の自信ゆえか、メンバーは皆若いのに、既に貫禄が漂う。これからの日本のカルテットをリードしていく存在になるのではなかろうか。彼らは注目だ。
フルート三重奏曲に出演したチェロの笹沼樹さんは、そのカルテット・アマービレのメンバー。
工藤さん、練木さんという大ベテラン先生たちに挟まれつつも、物怖じしない堂々たる演奏が光っていた。
日本フルート界の大御所、工藤さん。この人ねえ・・・。
以前、小澤征爾音楽塾のコンサートで、ステージに乗っているのに自分はまったく演奏をせず、隣の若い塾生フルート奏者の演奏に耳をそばだて、めっちゃ険しい顔をしながらチェックしていた。
その光景に私は眉をひそめ、そして思った。
「あーー、オレこういう先生、嫌い。イヤだイヤだ・・・」
練習の時は厳しくてもいいよ。でもさ、本番くらいは開放してやれよ。センセはステージ袖に引っ込み、教え子の背中をポンと叩いて朗らかにステージに送り出してやれよ。あれじゃ、横にいるセンセが気になって演奏が縮こまるじゃんかよ。
なので、わたし個人的にこの人苦手(笑)。音楽や演奏とはまったく関係なく。
メインの堤さんと鈴木さんのデュオ。
その前にアマービレの切れ味鋭い演奏を聴いちゃった後なので、なんとも緩~い感じ(笑)。
曲のせいだったのか、それとも堤さんの演奏そのものだったのか・・・。
ま、そこらへんはあえて追求するの、やめときます(笑)。
今回の旅行はこれで終了。台風が沖縄や先島諸島に来ていたが、鹿児島地方はなんとか無事でした。
これで今年の私の夏、終わり~。