クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

懐かしのチケットぴあ

チケットぴあの店舗営業が、昨日である6月30日をもって全国一斉に終了となったとのこと。
「ええっ!! そうなの~!?」と驚いたが、ぴあ社によれば、チケット販売は今や完全にネットが主流。販売数に占める店舗の割合は、全体の僅か1%未満なのだそうだ。最盛期には全国に600店以上もあった店舗も、最後はたったの77店。完全に時代の趨勢に抗うことができなくなったというわけ。

なるほどー。確かになぁ。仕方がないよなー。
自分だってチケットは今ほとんどネット購入だもんな。


昔を思い出し、思わずノスタルジアを感じてしまう。
上にも書いた最盛期というのは、おそらく1990年代頃だったと思う。アイドル歌手、ロック、ポップ・ミュージックなどに熱を上げていた愛好家やファンたちは、ご贔屓のアーティスト公演のプラチナチケットを入手するために、すべての情熱とエネルギーを注いで各ぴあ店舗に並んでいた。

クラシック音楽の場合、チケット獲得合戦が白熱するような公演はごく一部に限られていたので、そこまでする必要はあまりなかった。
私の場合、むしろ当時、日本全国に一大ブームを巻き起こしたサッカーJリーグの観戦チケットを手に入れるために、何度となくぴあ店に並んだっけな。

午前10時発売開始の前。事前に配布された購入申込書に必要事項を記載すると、それをお店のスタッフが回収。
そして、発売開始時刻ジャスト、時報が鳴った瞬間、発券担当者が素早くシステムを稼働させ、ものすごい勢いでキーボードを叩き、一分一秒を争いながら、次から次へとチケット発券に奮闘している姿をよく目撃した。担当者の眼差しは真剣そのもの。ぼやぼやしていたら、あっという間に売り切れてしまう。
「早くから並んで待っていた人たちのために、何としても、是が非でもチケットを取ってあげたい!」
お客さんのため!という熱意に溢れ、それがひしひしと伝わってきた。

私は思った。あの時、お店のスタッフと客は同士であった、と。チケットを取れた喜びと感動を、まさに共有していたのだ。なんだか感動的でさえあった。


今は昔・・・。かつてそういう時代があったが、今は廃れてしまった。時代の流れとともに消えていく文化。

寂しいっすね。