先日NHK-BSのプレミアムシアターで放送されたハンブルク州立歌劇場の「ファルスタッフ」収録映像を見た。
アリーチェ役のマイヤ・コヴァレフスカ。
彼女は、2010年1月、ニューヨークのメトで「トゥーランドット」を観た時、リュー役で出演していた。この時のコヴァレフスカは透き通るような美人で、思わず目が釘付けになってしまった。
あれからおよそ10年。
お美しいのは相変わらずだったが、少々横幅が増し、少々貫禄が付いたおばちゃんになっていた。
まあ、年月が経てば、人は変化するのだ。歳を取るというのは、そういうことなのだ。
自分だってすっかりジジくさくなっているのに、人のことなんか全然言えないのである。本当にすまん。
ところで、あの時のメトのトゥーランドットの指揮者はアンドリス・ネルソンスだった。
ということは、同郷の共演だったというわけだな。
ネルソンスもコヴァレフスカも、ラトビア出身だ。
ここで、ふと思い付いた。
バルト三国の小さな国だが、クラシック、オペラの世界に君臨するようなトップアーティストを輩出していることを。
オペラ歌手で一番有名なのは、エリーナ・ガランチャであろう。それ以外に、クリスティーネ・オポライス、マリーナ・レベカ、アレクサンドロス・アントネンコ。
指揮者では、ネルソンスに加え、偉大なるマリス・ヤンソンス。
ヴァイオリンの巨匠ギドン・クレーメル、チェロの巨匠ミシャ・マイスキー。
人口たった200万人の国から、これだけの現代を代表する演奏家が生まれているのである。
これ、すごくない??
国の大きい小さい、人口の多い少ない、じゃないんだな。
大国じゃないけど世界的な演奏家を輩出している国と言えば、ウクライナもすごい。
リヒテル、ギレリス、オイストラフ、ホロヴィッツ、アイザック・スターンがこの国出身。
昔の人たちばかりだけど(笑)。
いずれにしても、こういうのって、何か理由があるんでしょうか。
教育ですか? 文化的な土壌ですか?
旧ソ連というのが、もしかしたら何かヒントになってたりして・・。