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2020/9/13 東響

2020年9月13日   東京交響楽団 名曲全集   ミューザ川崎シンフォニーホール
指揮  原田慶太楼
鐵百合奈(ピアノ)
スッペ  詩人と農夫序曲
ベートーヴェン  ピアノ協奏曲第0番
プロコフィエフ  交響曲第5番


どこのオーケストラも、客席だけでなく、ステージ上においても「密」を避けるために、当初に組んだプログラムを見直す作業を行っている。
そこで新たに何の曲をやるかについては悩みどころで、奏者の間隔を開けるため、結果として古典などの小編成作品や、弦楽合奏・管楽合奏作品を採り入れるなど、色々と御苦労されているようだ。

そんな中、今回東響は当初のプログラムを変更させることなく、そのまま、さりげなくしれーっと、比較的規模の大きい「プロ5」(三管編成)をやってのけた。

ステージ上にはフルオーケストラの面々。
先日の読響では、弦楽器奏者は二人でのプルトを組まず、間を開け、譜面台も一人一台だったのに、東響は通常どおり二人一組のプルト。管楽器との距離も特別に大きく取っているわけでもない。

やったじゃんか! 確信犯的? 堂々と先陣を切ったわけ? 勝負に出たわけか?

いやいや、いいと思うぜ。ホント。マジで。

コロナの感染って、人の口からの飛沫が問題なんでしょ?
オーケストラの場合、歌唱と違い、黙って演奏するわけで、飛沫を飛ばさないんだから。

もちろんエアロゾルの問題は完全に捨て切れないだろう。特に管楽器はね。
でもねえ。それを言ったら、我々の日常生活における電車の中、ビルや施設の中、職場、家、どうなのよ?って話。

プロコ、良かった。久々に聴いて感動した。いい曲だよなあ。大好き。


指揮者の原田氏。近年、日本国内で急速に知名度を上げ、今、乗りに乗っている若手指揮者。来年4月からは東響の正指揮者就任が決まっている。私は今回初めて聴いた。
(初めて聴いたと言えば、ベートーヴェンのP協「ゼロ」番は、びっくりしたなあ。)

とにかく活きが良くて、キレがあって、ダイナミック。
単に力を込めて振り回しているだけかと思ったが、頭の中でスコアを整然と鳴らしてる印象が伺える。
時に打楽器などを猛烈に叩かせて音量をマックスにさせていたが、あれは間違いなくわざとそうさせたんだろうな。なぜなら、指揮者って尋常じゃないくらい耳が良い人たちなので、出てくる音の総量とバランスに無頓着であるはずがないから。

ただ、個人的な好みで言えば、あの曲は爆発ではなく、爆発寸前の溜まったマグマの塊のような充満した響きの方がいい。これはあくまでも好みの問題。

でも良い良い。若いんだし、思い切り鳴らしちゃえ。世の中、コロナで鬱憤が溜まっているんだ。あれくらい鳴らせば、爽快ってもんだぜ。