2002年4月29日 ベートーヴェン・オーケストラ・ボン ベートーヴェンホール
指揮 マーク・スーストロ
モーツァルト ドン・ジョヴァンニ序曲
ハイドン 交響曲第103番 太鼓連打
メンデルスゾーン 交響曲第5番 宗教改革
ところでさ。みんな、このオーケストラ、知ってる?
ドイツには天下のベルリン・フィルを筆頭に、数多くのオーケストラが存在して、それぞれがしのぎを削り、存在感をアピールしているが、ベートーヴェン・オーケストラ、これだけ偉大な作曲家の名を冠しているにも関わらず、いまいちメジャーとは言い難い。
たぶんそれは、ベートーヴェンというより、ひとえにボンというローカルな街のせいだ。
ボン=凡
あ、いや、そういう意味じゃなくて(笑)。
ベルリンやミュンヘン、ハンブルクといったドイツを代表する大都市と比べて見劣りしてしまうのは、それはもう仕方がないこと。
オーケストラのグレードも、結局は都市のグレードに比例する傾向が見られるわけだ。
ただし、拝借したベートーヴェンの名前を上手く活用して、当時の演奏スタイルの追求など、オリジナリティに明確な路線を打ち出そうとする気概があるのなら、それはそれで共感したいところである。
例えば、ドイツ・カンマーフィル・ブレーメンの指向性なんか、とてもいい見本だろう。
(まあ、ウィーンで昔のかつらや衣装を身に着け、完全に観光客向けの演奏会を行っているウィーン・モーツァルト・オーケストラに比べれば、数百倍もマシだけどな(笑)。)
本公演の演奏がどうだったかについて、今となってはほとんど思い出すことが出来ない。
印象が残らなかったのは、まあフツーの演奏だったということなのだろう。
元々それほど期待していたわけでもなく、斜に構えてコンサートに臨んだから、というのもある。
ていうかさ、ベートーヴェン聴きたかったよなー。ボンに来たんだからさ。
頼むよ、十八番、聴かせてくれよ!
なんてな・・・。
彼らがこうして地元で演奏会をやる時、フツーの一般プログラムになるのは、ある意味当然。
おそらく彼らが外国を始め各地に演奏旅行に出かける時は、それこそ堂々とオール・ベートーヴェン・プログラムを披露するんだろうね。
思えば、今年はベートーヴェン・イヤーだ。生誕250周年。
本当なら、彼らは世界中から引く手あまただったことだろう。忙しい年のはずだっただろう。
実際、日本にも6月に来る予定だった。交響曲第5番と第7番という勝負曲を引っ提げて。
それがコロナ禍だもんな・・・。
いやあ、本当に残念無念。