クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

音楽のない時間を過ごす

2月末以降、予定していたコンサートが次々と中止となり、4月末までのスケジュールがほぼ空となった。そしてゴールデン・ウィークの旅行も中止となった。
また、例年ならこの時期は、年度末ということで、仕事の一区切りだったり、人事異動に決まった人を誘ったりと、飲み会が多々入るのだが、今年は自粛ムードで一切なし。

仕事に行き、仕事が終わったら真っ直ぐに家に帰る、という毎日。
自宅では、欧州サッカーなど録画したスポーツの試合を観ることさえも叶わない。だって、やっていないんだから。

そんなぽっかりと空いた毎日であっても、本来なら、私には決してヒマを持て余すことがない強力な援軍がいる。
それは、CDやDVDといった、自室にある膨大な録音録画メディアだ。
仮に連日連夜、自室で音楽鑑賞に明け暮れたとしても、ストックは十分。新着メディアも出てくるし、おそらく一生困ることはないだろう。

だが、私はこのところ(ブログ記事に書いた「マイスタージンガー」鑑賞以降)、自宅で音楽をほとんど聴いていない。録り貯めているオペラも観ていない。

その代わり、映画を観たり、ドキュメンタリーを観たり、You Tubeを観たりしている。芸能人が馬鹿騒ぎしているだけのバラエティ番組は昔から嫌いだが、それでもたまにチャンネルが止まって見入ることだってある。

音楽が好きで、音楽を求めてわざわざ海外に行くくらいで、この趣味に人生を捧げているというのに、これはいったいどうしたことか。

実は、自分なりに現下の辛い状況を、真正面から受け止めてみようと思っているのだ。

コンサートが中止となって生鑑賞が叶わない。その悲しさを受け止め、身に染みさせる。安易に現実逃避するのではなく、それだけの一大事だということをきちんと認識する。
そして、失うことで、音楽が大切だということ、自分にとってかけがえのない物であることを、再発見したい。

こうやって音楽を遮断していたら、きっと飢えてくる。そして、その分「また音楽を聴きたい」という強い欲求が出てくるはず。
いつか再びコンサート通いの日常が戻ったその時には、大いに喜び、そのありがたさを噛み締めたい。

なんとなくそのように思っていて、音楽を聴くことをストップしているのだ。

今、演奏家だけでなく、プロモーターも、関係者たちも、苦境の中で必死に立ち向かっているはず。
この機会に、そうした人たちにも思いを馳せたいと思う。