フランクフルトからミュンヘンへの移動は鉄道で。およそ4時間弱の旅。
空路という手段もなくはない。航空券運賃はそれほど高くないし、飛んでいる時間はずっと短い。
ところが、飛行機の場合、搭乗までに十分な時間を取らなければならないし、更にミュンヘン国際空港から市内中心部までは結構遠い。そうしたことを全部含めた移動時間は、実は陸路とそれほど変わりがないのだ。
午後1時ミュンヘン着。
昼食を取らなければならないし、午後6時開演のオペラのために休憩して心身を整えたいし・・・ということは、前日と同様、観光する時間がほとんどないなあ。
もっとも、ミュンヘンでまだ行ったことがない観光ポイントなんて、もうないんだけどさ。
とりあえず、ミュンヘン中心部のマリエン広場、市庁舎前で撮った写真をアップしよう。
なんと、マラソン大会開催中だった。
ご覧のとおり、天気は見事な晴れ。今回の旅行は、ずーっと晴れ。
穏やかな笑みのような空を見上げながら、怒り狂った空の真下にある国に、想いを馳せる。
ミュンヘンのランチのレストランは、もう決まっている。毎回必ずと言ってもいい。聖母教会フラウエンキルヒェのふもとにあるニュルンベルガーソーセージ・レストラン「グレックル」である。ここの炭火焼ソーセージ、ほんと絶品なんだから。
店内に入って着席し、メニューを開いて、店員のおばちゃんを呼ぶ。いつものようにソーセージを注文しようとしたら・・・。
おばちゃんが話しかけてきた。
「私のオススメはこれよ!これ。絶対お薦め。大丈夫、美味しいわよ!」
指で指してきたメニューはドイツ語表記で、その料理がなんだか全然わからない。
いやぁー・・そんなぁ・・いつものソーセージでいいんだよー。頼むよぉ。ソーセージ食わせてくれよぉ・・。
などという内心とは裏腹に、「うーん・・・わかりました。OK。じゃ、それで!」と返事をしてしまったオレ、とっとと呪われやがれ。
くそー、失敗したなあ。外国語会話の壁が立ちはだかったよなあ。日本語だったら、軽くかわせたのになあ。
出てきた料理を見てびっくり。
なんと、ミックスグリルソーセージ・セットだったのだ(笑)。 めっちゃ美味そう!
ああ、香ばしい匂い。がぶりと食らいつく。
「う ん め ぇ ――――!!」(笑)
すかさずビールをグビグビ喉に流し込む。
「くぅぅぅ~~~っ!!!」
こういう時、インスタやっている人は、絶対、逃さず、料理の写真を撮るんだろうねえ。
私もあとになって「あ、写真撮っておけばよかったわい」と思ったよ。
でも、料理が出てきた瞬間、そんなことはすっかり忘れて、たまらず食らいついてしまったというわけさ。
まあいい。どうせまたそのうちミュンヘンに来る。そしたら、また同じ料理を注文しよう。その時はちゃんと写真に撮ろう。
至福の時間を過ごし、酔っ払ってフラフラになってホテルの部屋に戻り、そのまま仮眠。