クラシック、オペラの粋を極める!

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2019/9/3 都響

2019年9月3日   東京都交響楽団   東京文化会館
指揮  大野和士
ヴェロニカ・エーベルレ(ヴァイオリン)
ベルク   ヴァイオリン協奏曲
ブルックナー   交響曲第9番


スコアの中から、いかにして情報を読み取るか。また、どの程度情報を読み取るか。
指揮者によって、そのやり方は様々だ。

大野さんのブルックナーを聴いて思ったこと。
よく研究しているな。真面目にスコアを勉強しているな。

基本的に穴がない。英語も国語も数学もみんな80点。バランスがいい。
で、そうやって読み取った情報は、器用なタクトでなるべく正確に再現しようと試みる。
結果、「色々なことを整然とやってるなぁ」というブルックナーが仕上がる。

これが外国人指揮者の場合(もちろん相対的な概論だが)、情報の捉え方には偏向がある。
たぶん、奴らは全てをまんべんなく読み取ろうとしていない。
何を取り、何を捨てるのかを見極めているのだと思う。
いや、捨てるという言い方は違っていて、実際はある程度をオケの主体性に委ねているのだが。

その代わり、核心の部分、こだわる部分については、妥協を排し、信念を貫こうとする。
英語80点、国語60点、数学100点の狙い方。
時には、不器用なタクトで120点のハッタリをかましながら、最終90点を確保する、なんてことも。
結果、「些細なことを気にしない骨太のブルックナー」が仕上がる。

良い悪いを論じるつもりはない。欧州人と日本人の気質の差がある。
それに、個性の違いを認め、それを面白がって聴いた方が楽しいに決まっている。今回は、あくまでも大野さんのブルックナーなのだ。

それでも、自分の好みで言っちゃえば、私は「些細なことを気にしない骨太のブルックナー」が好き。典型例は、クナッパーツブッシュ

仕方ないよな。だって好みなんだからさ。
好みで語っても全然構わないのが、単なる愛好家の特権っていうわけさ。