クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2009/7/11 新日本フィル

2009年7月11日 新日本フィルハーモニー交響楽団 すみだトリフォニーホール
シュミット オラトリオ「7つの封印を有する書」
指揮 クリスティアン・アルミンク
ヘルベルト・リッペルト(ヨハネ)、増田のり子(ソプラノ)、加納悦子(アルト)、吉田浩之(テノール)、クルト・リドル(バス)


 アルミンクさん、またマニアックな曲を採り上げますね~。

 こういうコンサートというのは評価が難しい。というのも、演奏の質うんぬんよりも、「上演されたこと自体が画期的だった」ということそれだけで評価が上がってしまうからだ。

 ここは一つ純粋に演奏に絞ってみてみよう。

 オーケストラの側からすると、やっぱりいつも演奏しているベートーヴェンブラームスとかとはワケが違うようだ。そりゃプロだから楽譜に書いてあることの表現はきちんとやっている。だが、血となり肉となった演奏には至っていない。

 なぜか。
 一言で言えば、要するに難しいのだ。演奏する側も、我々聴く方も。

 聖書を題材としたオラトリオである。ヨハネの黙示録が何であるか、‘子羊が封印を解く’というのは何を意味するのか等を日本人が理解するのはそりゃ無理ってものだ。

 以上のような困難を‘やむを得ない’と認めて目をつぶってしまえば、十分に良かったと思う。それはやはりアルミンクのツボを得たタクトの功績によるものだ。曲の際立たせ方が実に見事だった。もちろん、一番の難役ヨハネの役にわざわざリッペルトを呼び寄せたの大きい。彼無くしてこの公演はあり得なかっただろう。

 多くの聴衆は、第2部最後の「ハレルヤ!主を讃えよ!アーメン!」の壮麗なコラール部分は単純に感動したのではないだろうか?私もそうだ。それ以外にも、派手に管弦楽が鳴り響く場面もあって‘それなりには’楽しむことが出来る。だが曲全体をしっかり消化できたわけではない。「これでいいのだろうか?」と自問しつつ拍手を贈っていた。

 しようがない。これでいいのだ。‘それなり’に楽しめればいいのだ。
 クラシック音楽をとことん突き詰めていくと、最後は「神を称えよ」というキリスト教に辿り着いてしまう。難しくて当然なのだ。仕方がない。