クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2009/4/28 ウルム

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 ミュンヘンから、帰りの飛行機出発地のシュトゥットガルトに向かうまでのちょうど中間地点にウルムという町がある。帰国便が夕方であったことから、日中はここで途中下車し観光した。
 ガイドブックによると、ここは教会の塔としては世界一の高さを誇る大聖堂で有名なのだという。さらには物理学者アインシュタインの生誕地でもある。

 普通の観光客は大聖堂のある旧市街にまっすぐ向かうのであろう。もちろん私もそのつもりだが、まずはその前に行きたい目的地があった。

 年季の入ったクラシックファンなら「ウルム」と聞いてピンとくる。若きヘルベルト・フォン・カラヤンが、人生で最初の音楽監督に就任したのが、ここウルムの市立劇場。私が真っ先に向かったのはここである。

 就任時カラヤンは22歳くらい。伝記などによると、当時、ウルムは小さな町で、劇場も非常に小規模であったが、カラヤンはとにかく「地位」「ポスト」を望んだのだという。何でも良いから自分の思うとおりにやりたかったのだろう。自分の手足となって動いてくれるカンパニーが欲しかったのだろう。いかにもカラヤンらしいねえ。
 ただ、たとえ小さな町とはいえ、弱冠22歳でそういう地位を得られるのは、やはりすごいとしか言いようがない。

 こうして彼のキャリアがここウルムからスタートし、世界のクラシック帝王への階段を上っていく第一ステップを踏んだのであった。

 劇場は駅から5分、旧市街から7~8分。行ってみたら、その建物は結構モダンで普通だった。若き日のカラヤンの面影に想いを馳せたくて小さくて古びた劇場を期待したのだが、あてがはずれた(笑)。まあそりゃそうだ。当時からかれこれ80年くらい経っているのですからね。

 ただし、カラヤンの名前はしっかりと刻まれていた。劇場の目の前がカラヤン広場。ついでに銅像でもあるかと思って探したが、さすがにそれはなかった。まあそんなところだろう、所詮カラヤンにとってはウルムは単なるステップアップのための踏み台に過ぎなかったのだから。


 劇場の外観をしばし感慨深くながめた後、ようやく普通の観光のため旧市街へ。

 世界一の教会の塔の高さを誇る大聖堂。ケルン大聖堂よりも高いのか!なんでそんなすごい建物がこんな一地方都市にあるわけ?不思議だ。
 写真を撮ろうとしたが、ふもとからだと全容が収まらない。
 むしろ絶好のシャッターポイントは町を流れるドナウ川をわたった対岸から。あいにくこの日は天気が悪く、途中から雨も降り出した。このため大聖堂に登るのもやめた。天気が良ければ、大聖堂を眺めながらのドナウ川岸散策はさぞかし気持ちよかったのだろう。ちょっと残念。
 ただ、ドナウ川の流れをぼーっと眺めながら「この川がウィーンやブダペストにつながっているのか・・」と考えて、それはそれで感慨深かった。


 最後に、駅へ戻る帰路途中でアインシュタインレリーフを発見。
 上の写真。
 どこの国でもこういうことをやるんだねえ(笑)。市が誇る偉人でしょ?でも面白かった。


 4月末の旅行記はこれで終わりです。