クラシック、オペラの粋を極める!

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2009/4/27 バイエルン州立歌劇場

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2009年4月27日 バイエルン州立歌劇場
ヤナーチェク イェヌーファ(新演出)
指揮 キリル・ペトレンコ
演出 バーバラ・フレイ
ヘルガ・デルネシュ(ブリヤ家のおばあさん)、エヴァ・マリア・ウェストブルック(イェヌーファ)、デボラ・ポラスキー(コステルニチカ)、ステファン・マルギータ(ラツァ)、ジョセフ・カイザー(シュテヴァ)他


 なんとも不思議な舞台だ。上の写真のとおり、設定された場所は人里離れた荒涼地で、空力発電の風車が見える。家は壁や柱が無くて剥きだし状態。村人達の顔にはやけどなのか傷なのか、あざのような跡が。
 
 無理やり解釈し読み取ると、こうだ。
 発電所で事故があった。その発電所は閉鎖、村は壊滅。怪我を負った住民は補償も得られず、逆に隔離されてしまった。閉じこめられた狭い村社会。顔だけでなく心にも傷を負った村民たちの歪んだ生活。
 イェヌーファは事故を免れ、きれいな顔立ちのままでシュテヴァから気に入られていたが、ラツァに傷つけられてしまう。シュテヴァは他の村民と同じ顔になってしまったイェヌーファに幻滅し、イェヌーファへの愛情が一気に冷めてしまう・・・。

 「当たらずしも遠からず」ってところだと思うが、原発事故には見えないし、最後の最後までイェヌーファとラツァの仲がよそよそしいし、意味不明の部分が多い。演出家から直接意図を聞きたいところである。

 音楽的には「見事!」の一言。
 私のお気に入りウェストブルックとポラスキーの超豪華な共演は贅沢極まりない。(ウィーンやミュンヘン、ニューヨークなどはこういうスターが日替わりで登場する。ホントうらやましい限り。)二人とも劇場空間いっぱいに鳴り響かせることが出来る強力な声を持っており、圧倒的。体も大きいので抜群の存在感。辛口のミュンヘンの聴衆も絶賛の大ブラボーだった。

 それから何と言っても、指揮のK・ペトレンコ。この人、やはりただ者ではない。間違いなく、世界のオペラを牽引していく逸材だ。今後も注目していきたい。

 二期会が採り上げたことがあるが、それでも日本での上演はまだまだ難しいヤナーチェク。素晴らしい作品がたくさんあるというのに。言葉の壁が大きいのか?そろそろ新国立でもやってもいい時期だと思うのだが・・。