クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2009/3/20 西部の娘

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2009年3月20日 セヴィリア・マエストランサ劇場
プッチーニ 西部の娘  ローマ歌劇場貸出プロダクション
指揮 ペドロ・ハルフテル
演出 ジャンカルロ・デル・モナコ
ジャニス・ベアード(ミニー)、クラウディオ・スグーラ(ジャック・ランス)、マルコ・ベルティ(ディック・ジョンソン)他


 やべー、この公演の報告について書くのをすっかり忘れていた。まだ旅行記が終わっていませんでした。

 私は西部の娘が大好きで、この演目を観たいがためにセヴィリアに出掛けたようなものだということは以前に書いた。結論から言うと、「本当に来て良かった!」と大満足。

 まず、私がこの公演のチケットを予約した時点で、演出はピエロ・ファッジョーニ、プロダクションはロイヤルオペラハウス(コヴェントガーデン)であった。ところがふたを開けてみると、上記のとおり。ローマ歌劇場の貸出によるものとあるが、ジャンカルロ・デル・モナコの演出と言えばメトロポリタンオペラと同じだ。LDなどの映像になっているのでご覧になっている人も多いと思う。メトとローマとで共同演出したのであろうか?

 いずれにしても、今回の舞台はメトの映像とほとんど同じ。つまり豪華で綺麗、ただしクラシカルでオーソドックスだ。ジャンカルロ・デル・モナコは、演目によっては意欲的革新的な現代演出を試みるが、この演出版では脚本に忠実。きっと保守的なメトの方針に屈したに違いない(笑)。

 上記の主役の3人が、歌唱においていずれも出色だった。特にミニーのベアードとジャック・ランスのスグーラは演技も含めて抜群の存在感。マルコ・ベルティは歌唱は100点、演技は50点。

 ミニーがジョンソンと一緒に去っていき、それを見送りながら、哀愁に打ちひしがれるジャック・ランスと鉱夫たち。私はただただプッチーニのとにかく美しいノスタルジックな音楽に身を委ねながら舞台を見つめ続けた。たっぷり過ぎるほどの感動をもらうことができた。

 それにしても・・・。

 イタリアもそうだがここスペインも開演時間が遅く(午後8時半)、このために終演はなんと日付が変わっていた。

どうして??

郊外から見に来る人はいないの?
家に帰れなくなる心配はないの?
終演後にゆっくりと食事でも取りながら感想を語り合う時間が欲しくないの?
こんな遅くまでオペラ観ていて明日の朝の仕事に支障を来さないの?

まったく不思議なことばかりだ。

 私は翌朝帰国のため、ホテルを早くチェックアウトしタクシーで空港に向かわなければならない。(セヴィリア発午前7時の飛行機)
 終演後、劇場を後にしてホテルに着いたのが、午前0時45分。ホテルのレセプションの人に「明日午前5時にチェックアウトしたい。」と伝えたら、目を丸くされた。「ほとんど寝る時間が無いじゃないの?大丈夫?大変だね!」おおかたそんなことを言いたいのだろう。大きなお世話だ。だったら頼むから夜のエンタテイメントの開始時間をもっと早めるように尽力してくれよ。

 睡眠時間実質3時間、眠い目をこすって早起きし、予定通りにチェックアウト。その際に空港までのタクシーを呼ぶように頼んだところ、レセプションの係員はこう言った。「こんなに早く空港に行っても、空港はきっと締まっているよ。開いていないよ。」

 もう何を言われても驚かない。ここはスペイン、ラテンの国。はいはい、分かったよ。午前7時に飛行機が飛ぶんだから、どんなに遅くても6時には開くだろ?それまで待つよ。気にしない。いらいらしない。これがあんた達の生き方だろ?

 セヴィリア空港に5時15分に着いたらちゃんと開いていました。セヴィリア→マドリード→パリ→成田と順調に無事に帰国できました。お疲れさま。